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ホンダスティードの経年劣化バイクボトムケースを再メッキ加工

1990年ホンダスティード純正ボトムケース
経年劣化ボトムケースアップ

メッキ加工を施す為に、まず確認しなければいけないのが部品の材質です。磁石でくっ付くか?それともくっ付かないのか?ここを確認致しましょう。次に錆びている個所を見て下さい。2枚目の写真の様に見える錆は大抵アルミニウムの材質です。バイクボトムケースの多くはスチールで出来ている事が多いのですが、スチール製部品はこの様な錆では御座いません。黒っぽい誰でも一度は見た事のある錆です。それを思い出してご自分の再メッキ加工したい部品の表面にある錆と比べて見て下さい。自動車の旧車でよく使用されている亜鉛ダイカスト(アンチモニ)の錆はアルミニウムの錆に少し似ていますが、この写真の様にメッキが剥がれてる事はあまり御座いません。錆が盛り上がってボコボコしています。アルミニウム部品が腐食すると錆初めは青っぽい錆が見えたり致します。この様に部品の素材によって腐食した箇所の見栄えが変わって見えます。我々、装飾クロムメッキ加工に携わる者は今までの経験から手に触れて恐らく、この部品はこの素材で出来ていると判断いたします。皆様も、この見方を参考にして頂けたらと思います。それでは今回ご依頼頂いた1990年代のホンダスティードの純正バイクボトムケースの再メッキ加工についてお話しさせて頂きます。先程も言いました様に、この錆から見ても重さを量ってもアルミニウム製のバイクボトムケースと言えます。メッキを剥離して素材表面を観察致します。今までの経験値から上の写真の様な腐食痕はかなり酷い状態になっています。メッキで隠れている個所にもこれと似たような腐食痕があると思います。この場合は出来る限りバフで徹底的に磨き込みを致しますが、新品未使用品程、綺麗に仕上がる事は通常の再メッキ方法では物理的に不可能と言えます。お客様の予算が潤沢にあるのならば、上メッキ加工をお勧め致します。この方法は素材がかなり悪くても表面を補修する事で部品が甦る考え方です。素材の表面を生かしてメッキを施す方法とは全く違う考え方です。このバイクボトムケースのご依頼主様は弊社の中ランクである厚メッキ加工にてリクロームを施して欲しいと言うご希望です。剥離後にバフで磨き込み作業を施して、銅メッキ加工を致します。もう一度、バフ研磨でピンホールを極力埋めて、2回目の銅メッキを分厚めに行います。この時に、ボトムケース表面の腐食痕やピンホールの残りをチェック致しますが、表面がまだ酷い場合は3回目の銅メッキ加工を行う事になります。この作業も厚メッキ加工ならではです。次にニッケル仕上げを行いますがかなり分厚くする必要があります。最後にクロムメッキ加工を施して完成となります。因みに、アルミニウム素材の部品に腐食痕が酷い場合の板金加工は非常に難しく、スチール素材の部品に板金加工する難しさとは次元が違う程です。

メッキ加工 板金加工、お客様指定品

フェンダー再メッキ+板金加工済み
ハーレー用クレージーフランクフェンダー再メッキ+板金加工済み、正面
ハーレー用クレージーフランクフェンダー再メッキ+板金加工、正面下段
ハーレー用クレージーフランクフェンダー再メッキ、正面中央
板金加工前のハーレー用クレージーフランクフェンダー正面と側面

8月にブログ掲載させて頂いたハーレーダビッドソン用のクレージーフランクフェンダー再メッキ加工+お客様による指定個所板金加工が終了致しましたので掲載させて頂きます。このブログをご覧の皆様も一度、インターネットでハーレークレイジーフランクフェンダーを調べてみて下さい。上の写真の形状ですが何処か違う箇所が分かると思います。一番下の写真はこのフェンダーがお客様より送られてきた時の物です。フェンダー端に粘土で肉盛りしているのがお分かりになられると思いますが、このフェンダーの特徴であるフェンダー端にスチール製丸パイプで強度を高めているのとエアロ的な要素で丸パイプとフェンダーのスチール板を溶接しています。しかしながらこのフェンダーと丸パイプ間の深い溝が出来ている訳ですが、ご依頼主様からこの溝を埋めて粘土様に平らに仕上げた上で分厚いメッキを希望すると言う事で、仕上がり写真が上の物です。インターネットで調べて頂いて違いがお分かりになられたでしょうか?弊社は板金加工を有名な加工職人様に業務委託させて頂いているのですが、完成品はご覧の様に溝は無くしかも丸みを帯びていて元の丸パイプが装着されていた事すらご覧の様に分からない仕上がりになっております。ここまでの技術はなかなかの物です。昔ながらの板金加工職人さんでもここまでは無理な様に思います。ハーレーをこよなく愛する方はビックリされる事でしょう。私も毎日、この様なハイクオリティの完成品を仕事柄見ていますが完全にお客様のイメージ通りに仕上がりました。お客様もビックリして凄く感激されていました。この様にハイクオリティのメッキ加工とハイクオリティの板金加工が両立するので大概の腐食痕や事故などでダメージを受けてしまった部品もお客様の期待通りに仕上がる事が出来ます。経年劣化したバンパーやグリル、様々な部品、旧車の為にメーカー在庫が無くて、リクロームでなければ綺麗に出来ない様な物、そう言った事で何処のメッキ加工会社に出そうとお考えの皆様、この上の写真を見て頂ければお分かりになられると思います。実は板金の仕上がりまでに3回やり直しをさせて頂いての結果です。熟練板金職人さんでも、1回で完成した訳では御座いません。板金加工終了後には必ず、担当営業部が確認をして次の工程に進ましても良いかの判断を致します。ここをクリアするのに3回かかったと言う事です。この様なお仕事は単なる板金加工では無くて、形状修正と言います。例えば、スチールバンパーが大きく破損して元の形状では無い様な状態の事。様々、職人も得意、不得意がある訳ですが弊社の職人は概ね全ての作業が出来、その上で最上級のクオリティを追求する事が出来ます。特に、他社様で加工が出来ないと言われた様な仕事は弊社にご依頼して完成品をご自分の目で見てご満足して下さい。

メッキ加工会社の選び方

バイク(PP)樹脂フィンに最高級モーターショー用クロムメッキ仕上げ

メッキ加工会社を選ぶ時に迷う事は誰しもあると思います。特に初めて依頼する方やメッキの種類が分からない方、その様な方にとって一番良いメッキ加工会社の選び方を教えさせて頂きたいと思います。メッキ加工会社には大きく分けて2つ営業形態が御座います。1つ目は弊社(メッキ工房光沢屋)の様に自社工場がある会社、2つ目は自社工場を持たず下請け工場に業務委託する会社。細かく言うと様々な業務形態が有るのですが・・・この2つの内で選ぶとすれば自社工場を持って加工をする会社が良いと思います。その理由は、お客様が依頼したい部品に対してのアドバイスが的確であり加工賃も安価になる事がその理由です。因みに弊社は自社工場を東大阪工場を本社として東京工場、埼玉工場、静岡工場で加工させて頂いております。次に出来ればホームページを見て面倒かも分かりませんが、細かく説明を読む事です。その上でご自分のメッキ加工を依頼したい商品がその会社で受けてもらう事が出来るかどうかと言う事です。例えば、弊社などはモーター関連に特化しております。弊社のホームページをご覧になられれば誰でもお分かりになられます様にスライド写真も付けております。ご自分の商品が指輪、自宅の内装品、外装品、看板、様々な用途の商品が御座います。この様なイメージで会社のホームページや問い合わせで調べる事が大切です。次にご自分で選んだ会社にメール問い合わせでは無くて、出来れば電話でストレートにメッキ加工依頼したい商品について自分自身が求めているクオリティが追求出来るか質問する事です。例えばそのメッキは大型トラックのプロフィア純正クロムメッキバンパーの様な仕上がりで長持ちするもでしょうか?とか。具体的な例をもって聞く事が大切です。この質問であやふやに答える会社や加工をしてみなければ分からないと言うのなら依頼しない方が良いと思います。何故ならば、特化している会社なら経験が豊富なので直ぐに的確な説明をしてくれます。弊社で例えるならば、お客様から電話問い合わせを頂いた時にまずはモーター関連の部品か、どうかをお客様にお尋ねします。そしてからお客様がイメージしている仕上がりのお話をお聞きします。もう一つ例えるならば、弊社でよくあるご依頼でリフレクター再メッキが御座いますが、お客様によっては車検が通ればさほど見栄えに対して拘りは御座いませんとか、反対に出来る限り光量を上げたいのでその様に加工して下さいとか、細かなお客様のご要望に的確にお答えする事が出来るか?弊社はお客様のクオリティに対する拘りを上、中、下、と言う様に分けてご商談をさせて頂いております。私が言うのも変ですがお客様にとって凄く分かりやすい営業形態であると自信を持っております。次に加工上のデメリットを正直にお客様にご説明をする会社です。例えて言えば弊社はトラックやバイクの燃料タンクにクロムメッキ加工を施すお仕事をお受けさせて頂いております。加工上、どうしても燃料タンク内部も剥離しなければいけません。そうすると加工が完成した時にタンク内部が少し錆が出るのです。要は、完成品をお客様がバイクやトラックに装着する前に錆落とし剤で内部洗浄しなければいけない手間が発生するデメリットがある訳です。この様な事は加工会社が説明しなければ、お客様が分かる訳が無いのです。最低でもこの様なお話をしてもらえる会社を選ぶ事が大切と言えます。今回は数点に絞ってメッキ加工会社の良い選び方のお話をさせて頂きましたのでご参考にしてみて下さい。きっと良い選択が出来ると思います。

メッキ加工に於いてニッケルの重要性

メッキ工房光沢屋で取り扱う装飾クロムメッキ加工で使用するニッケルメッキのお話をさせて頂きます。ニッケルメッキ加工とはクロムメッキを行う上で凄く大切な物です。殆どの装飾クロムメッキ加工仕上げの下地に使用しております。このニッケルは凄く硬い特色が御座います。そして加工を施したい素材とクロムの密着を強固にする作用もある事からこの様に装飾クロムメッキ加工等で使用する訳です。このニッケルメッキ加工をあまり分厚くすると振動や衝撃により割れたり、ヒビが入ってしまったりと部材をニッケルメッキ槽に長く浸ける事が良いとは限りません。各工場によって加工の工程が微妙に違いますので絶対にとは言い切れませんが、少なくとも弊社の各工場は厳格に決められたニッケル加工を施してからクロムメッキ加工を行いますので完成品が衝撃や振動によってメッキが割れたりする事は御座いません。何故、今回ニッケルに付いてこの様な説明をするのかと言いますと、海外で製作されたレプリカ物や海外純正品でも船便や航空便で日本に発送された特にバンパー等がメッキが部分的に欠けていたりと散々な事例がおきる事で業者様からこの様なバンパーを再メッキ加工(リクローム)して剥がれたりしない様にしてほしいと言うご相談が御座います。その時にお客様にご説明させて頂くのが、先程言ったような事と、一番最初に銅メッキ加工を施していない事がこの様な原因であるとお答えしております。実は、銅メッキ加工を最初に施す事により緩衝剤になるメリットもあるのです。ただの緩衝剤では御座いませんが、銅メッキ加工を施す事で完成品の見栄えも良くなります。この様な事から考えると粗悪品はこの2つの理由が考えられます。この様な手間を省く工程で行うとこの様なデメリットだけでは無くて、肝心の見栄えも悪い事になります。クロムメッキ加工をこよなく愛するお客様は見栄えの判断が出来ますが、その他のお客様の多くは、当然メッキの種類さえ分からない事が多い訳ですから、お値段で判断すしか方法は無い様に思います。もしくはクロムメッキがかかっている物に銅やニッケルが施されているか?製造者に確認する事も重要ではと思います。今まで弊社にこの様な事例でご相談頂いた事のある部品はバンパー、グリル、ホイルが多い様に感じます。特にこの3種類のメッキパーツをご購入される際には先程ご説明させて頂いた事を参考にされてはと思います。尚、内装部品に於いては外装部品の様に衝撃がかかりにくいと思われますので、ここまで神経質にならなくても良い様に感じます。

メッキ加工1994年ハーレーFXSTS前後フェンダー

1994年式ハーレーFXSTSリアフェンダー
1994年式ハーレーFXSTSフロントフェンダー

上の写真の1994年のハーレーFXTSフロントとリアフェンダーを再メッキ加工(リクローム)で綺麗に復活させる為のお話をさせて頂きます。今回のご依頼主は業者様でシーシーバー、ブラケット、フェンダー、2車種ご発送して頂きました。この中には1975年のカワサキKH250のパーツも入っていました。ハーレーは25年前の部品ですし、オーナー様が本当に綺麗に手入れされているのが分かる程です。カワサキKH250も錆が表面に出ていますが、今まで沢山のカワサキKH250部品を再メッキ加工のご依頼が御座いましたが、このオーナー様も日ごろからしっかりと手入れされている事が分かる綺麗さでした。今回のハーレーFXSTS部品ご依頼のオーナー様は業者様を通されてのお仕事になりますので事前に業者様がオーナー様と再メッキ加工のクオリティをどれだけお求めになられているのかをしっかりと聞いて頂きました。その答えは弊社の上メッキ加工(最高級モーターショー用クロムメッキ加工仕上げ)か、もしくは中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)のどれかで悩んでおられるようでした。私どもの個人的見解は業者としておかしいかも分かりませんが部品の経年劣化の具合と部品の凹みが有るのかや、様々な観点から申しますと全ての部品を弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ加工仕上げ)で加工を施すと新品未使用品に仕上がると想定されます。言い訳では御座いませんが、この答えは100%とは言い切れません。現在、部品に付着しているメッキをシアンにより完全に剥離した段階でこの様な事が、初めて言えるのですが、しかしながらお見積りの段階では当然、剥離することなど出来るはずもない為に、部品を目視し長年の経験からこの部品をシアン剥離したら素材表面がどの様になっているのかを想像しながら、お客様とご商談させて頂く事になります。その為にこの様に曖昧なご説明になってしまいます。私たち検品させて頂く箇所は全て、端から端まで細かくチェックさせて頂いております。例えば、お客様がご発送時にきずかなかった極小さなえくぼ痕、この様な状態も直ぐに分かる程、目を凝らして検品させて頂いております。しかしながら、先程も述べさせて頂きました様にメッキと下地の間の経年劣化具合は目視では完全に分からない為に長年の感を頼りにご商談する他御座いません。その上で、私たちはどの部分を特に見ているかと申しますと、部品の表面の錆の状態と裏面の錆の状態を見ています。その錆もこれは素材がダメかも、もしくは板金加工や表面補修を施すレベルの生地の悪さだと判断します。錆で残念ながら程度が悪いのが錆を指で触れた時に人間が怪我をして治りかけて出来るかさべたこの様な状態の時はかなりの確率で生地が悪い状態です。へたをすると板金加工でも新品未使用品の仕上がりにならず、上メッキ加工を選択して頂いて新品未使用品に仕上げなければいけない様な状態。何れにせよ、弊社は経年劣化がかなり進行している様な部品の状態であっても、事故などで部品が大きく破損していても新品未使用品、もしくはそれに近い状態でお客様のご要望にお答えさせて頂く事が出来ます。残念ながらお客様にとってはメッキランクごとに加工賃が異なる為に、ランク選びに対しては慎重にならざるを得ません。その上で、この様に私たち検品する側も少しでもお客様に無駄のない、良い選択をして頂く様に心がけております。

メッキ加工前後の梱包方法

メッキ加工依頼する時、そして商品完成後に傷が付かない様に発送する為のお話をさせて頂きます。まずは、ご依頼主であるお客様が弊社にご発送して頂くにあたっての梱包方法です。発送業者様の荷物扱い方法は大手様である佐川急便様の場合は配送ドライバー様が商品を引き取り基地局に戻り、自動コンベアに乗せてガタガタと長い距離を梱包された物が動く事になる為に、かなり頑丈に商品を梱包して頂く必要が御座います。例えば依頼されたい商品が歪な形状でしかも重い物や先端が鋭利な物、この様な物は自動コンベアの振動によって梱包箱から先端が飛び出でしまい大切な商品が傷が付いてしまっていたと言う事例が珍しくないのが現状です。佐川急便様でご依頼されたい商品を出荷したのであれば、商品の先端部分や素材が弱い部分にプチプチ等の緩衝剤や新聞紙を丸めてガムテープ等で引っ付けて箱の中に入れる様な事をされなければいけない様に感じます。次にクロネコヤマト様ですが基地局で荷物を専用台に入れて、そのまま大型トラックで各基地局に行くために商品の損傷は低い様に感じます。この数年前から長さが1700ミリを超える様な商品はクロネコヤマト様は発送できない決まりになっておりますのでこのことを覚えて頂けたらと思います。佐川急便様に大きな物をご発送されたい場合は事前に連絡をして、専用伝票にご記入してからのご発送となります。続いてトラックのドアや2350ミリあるフロントバンパー、シャッターグリルは西濃運輸様位でないと運んで頂けない様に現在はなっています。西濃運輸は大きな荷物を運ぶことに長けています。商品が基地局に到着後、作業員様が台車に乗せたり、荷物を担いで行き先のトラックに乗せるこの様な作業である為に商品は損は少ない様に感じます。しかし手を滑らせる事も御座いますし、大型な商品を扱うのですから梱包はしっかりと行う方が良いと感じます。因みに、梱包する上で一番良いのは分厚めの緩衝剤のWプチプチを全体に巻きこんで角が出ている様な箇所には折り返すなどして更に分厚くするのが良いです。箱等が無い場合は、巻き段ボールと言う梱包材が売っていますので、それを活用するのも良いです。

旧車部品を綺麗にする為にメッキ加工

旧車部品を綺麗にする為に再メッキ加工を施す。今回はこのお話をさせて頂きたいと思います。旧車は自動車、バイク、トラック、自転車等、道路を走行する為の便利な道具ですが、走行中の飛び石や事故破損又は、経年劣化による部品の腐食、この様な状態で愛車の見栄え、走行での不具合からメーカー様で新品を購入します。近年、その愛車の各部品は約10年程でメーカー在庫が無くなった時点で購入できなくなる様です。昔は今と比べて愛車をながく愛用していましたが今は数年で買い替えたりする傾向が有るようです。弊社も各メーカー様ともご商談が御座いますのでこの様なお話は身近に聞かせて頂いております。そこで昔と同じように旧車をこよなく愛する皆様に旧車部品を綺麗にして気持ちよく走行して頂ける様にと言う気持ちでいます。まずは、旧車の部品がバンパー等で電気メッキ加工を施している様な物は少しの錆であればコンパウンドで軽く擦る事で見栄えが少しマシになります。ここで注意しなければいけないのはコンパウンドは研磨剤ですからクロムメッキ面を削る事になります。程度を超えて磨きますとクロムメッキの下地であるニッケルメッキが見えてきます。このニッケルメッキの色合いはクロムより少し黄ばみを帯びた様な感じです。ここまで行くと磨き過ぎとなります。反対に見栄えが悪く見えます。この磨く程度加減は為れていないと限度が分からない為に度が過ぎてしまう事が非常に多いのです。旧車専門店の職人様は慣れているので綺麗に仕上げます。もし、慣れていない方がコンパウンドで磨く場合は必ず少し磨いてその部分を遠くから一度見て、頃合いを見てから磨く、この様に手間が掛りますが少しずつ磨いていきましょう。次に樹脂製品にメッキがかかっている旧車部品に対する方法ですが、金属部品の様な電気メッキ加工でクロムメッキを施していない事が非常に多いのでくすみなどが発生していてもコンパウンドで磨かない方が賢明です。その理由は、昨日もメッキ加工原理でご説明をさせて頂きましたが電気メッキと電気を使用しないメッキ方法が御座います。電気を使用しないメッキ方法は膜厚が非常に薄く弱いのでトップコートと言う保護膜を吹き付けています。この保護膜をコンパウンドで削ると最悪の場合、メッキ部分が剥がれてしまったりして後悔する事に必ずなります。旧車の部品が金属なのか?それとも樹脂で出来ているのか?この事を知る事が大切になる訳です。この様なコンパウンドで磨く失敗例は珍しくはありません。万が一、この様な失敗が無い様に慌てず、焦らず、少しずつ、力を入れずに軽めで磨いていき事を是非とも覚えておいて下さい。

メッキ加工原理について

メッキ加工の原理は大きく分けて2種類御座います。1つ目は電気を利用した電気メッキ加工、これを湿式メッキ加工と言います。弊社はこのメッキ加工原理を利用する特化した工場です。このメッキ原理のメリットはメッキしたい部材に電気を利用してダイレクトにお気に入りの金属皮膜を付着させる事で傷に強く、剥がれにくく、錆びにくい事にあります。当然、ダイレクトでは御座いますがメッキしたい部材を剥離して表面の生地を凹凸が無い様に表面補修してから電着させなければいけません。この様な作業の事を下地作業とも言います。この作業は熟練職人が行う事によって部材表面が素人で表面処理するよりも断然、綺麗に仕上がる為に電気メッキ加工を施した完成品で比べると一目瞭然です。この原理のメッキ加工は歴史も古く紀元前とも言われています。現在のメッキ技術は過去とは全く違い、メッキ槽、メッキ液、治具、剥離剤、部材を表面補修する為のバフ等、日々進歩しています。例えるならば、一昔前のメッキ加工完成品の仕上がりと今日のメッキ加工完成品を並べて比べると素人の方でも分かるレベルです。ここ近年は凄まじいメッキ加工の進歩を遂げています。メッキ加工原理の中では、この電気を利用しイオンによる部材に電着させる方法が最も腐食しにくく、見栄えが綺麗で、尚且つ傷に最も強いと言えます。その証拠に、トラックや旧車等に装着されているスチール製バンパーにはこの原理のメッキ加工方法が用いられております。バンパーは事故等で自動車本体や搭乗者を守る為に装着されている大切な部品です。その上で、外観の見栄えを追求した結果でもあります。この事からもこの電気を用いたメッキ原理が良いのは明白です。続いてもう一つのメッキ加工原理は乾式メッキ加工と言います。字の如く、乾いていると言う意味からメッキ槽の中に入っているメッキ液に漬けるのでは無く、真空管の中にメッキ加工を施したい部材を入れて真空状態にした上で、クロムやアルミニウムを超高速で叩きつけて付着させるメッキ加工原理です。この方法も部材表面を下地修正を施さなければいけません。そしてメッキが部材に付着した上にトップコート保護膜処理を施す事により長持ちさせたり、傷防止の為にも行います。最近はメーカー様もコスト削減や工業廃水等環境破壊防止観点からもこのメッキ加工原理を用いた部品も増えてきております。今回のメッキ加工原理でお話していないですが、最近メッキ塗装やメッキ調スプレーなども有る様ですが、この方法は言い方に語弊があるかもしれませんが、んー、あまりお勧め出来る様な技術では無い様に感じました。その理由は、電気メッキ加工原理の完成品と比べると見栄えも全く違う上に、衝撃と傷に弱く剥がれてしまう事がその理由です。但し、これは悪口では無くて本当にその様に感じます。一度、皆様も比べれる時が有れば見て下さい。

ボルトメッキ加工は主に3種類

バイク用ボルト類ユニクロメッキ仕上げ
バイク用ボルト類クロメートメッキ仕上げ

ボルトメッキ加工に於いて弊社にご依頼して頂いたりご相談して頂く上で綺麗にする方法は3種類御座います。特にバイクの部品にこの様なボルト依頼が多く御座います。まずは一番上の写真でユニクロメッキ加工仕上げですが見栄えは白っぽい状態でバイクの箇所で言いますと部品と部品を繋ぎとめる場所、例えて言えばキャリー周辺やライト周り様々御座います。このユニクロメッキ加工は見栄えが白っぽいので人目に付く様な箇所に加工を施している事が多いです。装飾クロムメッキ加工仕上げよりも光沢は無く、錆には装飾クロムメッキ加工よりも良いです。弊社にボルト類をユニクロメッキ加工仕上げでは無くて装飾クロムメッキ加工でご依頼して頂くお客様はご承知ですが装飾クロムメッキ加工はメッキの厚みが有る為にねじ山にメッキがかからない様に養生して加工を施しますのでねじ山は錆びやすくなるデメリットが発生いたします。しかしながらユニクロメッキ加工「仕上げの場合はねじ山にメッキがかかっても厚みが薄い為に養生しなくても済む上に、ねじ山が錆びません。当然、錆びにくくする方法は御座いますが・・・続いて上の写真2枚目はクロメートメッキ加工仕上げです。見栄えの特徴としては黄色身を帯びていて防錆に適しています。この様なボルト類はバイクだけでは無く、自動車やトラックのも当然用いられております。そこで弊社にボルト類を加工依頼して頂く上でお客様が少しでも手間とトラブルが無い様に私のやり方ですがご参考にして頂ければ幸いです。バイクの場合、自動車と違い外装がメインです。外装部品の場合はメーカー様はより綺麗で高級感を出したい為にユニクロメッキ加工仕上げのボルト類が多い様に感じます。但し、クロメートの様に黄ばみを帯びた部品はブレーキと連動している細長い部品や指に触れにくく手入れできない様な箇所に装着されている事は多い様に感じます。そこで箱を4個用意致します。ユニクロ部品を入れる箱、クロメート部品を入れる箱、装飾クロムメッキ部品を入れる箱、そして経年劣化が酷くその部品が何のメッキか分からない物を入れる箱を。バイクで一番ボルトが多いのはユニクロメッキです。先程も言いました様に白っぽいですので直ぐに分かります。分解し終わったらワッシャの様に穴が開いている様な部品は紛失しにくい様に針金でまとめておきます。クロメート加工仕上げの部品は黄色っぽいので間違えにくいと思います。別箱にまとめて入れてユニクロの時と同じように穴が開いている様な物は針金に通しておきます。意外とどちらも数が多いので紛失をしない様に気を付けなければいけません。そして次にクロムメッキ加工を施したい物は更に別箱に入れておきます。経年劣化が酷いボルト類は4個目の別箱に入れておいて下さい。弊社で検品させて頂いてどのメッキか判断させて頂きます。この手間が掛る作業を行って頂くと愛車が純正新車時の様な見栄えになります。自動車もこの様に4個の箱に分けて頂いて下さい。エンジン回りのボルト類はクロメートが多く使われています。

メッキ加工方法で81年式ホンダCB750FBリフレクター

1981年式ホンダCB750FBリフレクター
1981年式ホンダCB750FBリフレクター裏面品番

メッキ加工方法で1981年式ホンダCB750FB(38年前)の純正リフレクター蒸着メッキ仕上げが、ご覧の様にアルミが剥がれてしかも経年劣化で錆が出ている様な状態です。もう一つ言えば、このオーナー様はリフレクター内部をシンナーか何かで綺麗になるのではと思い、拭いているのではと言う様な痕が御座います。たまに弊社のブログでリフレクターの取り扱いをご説明させていますのでご覧になって知っている方も多いと思いますが、リフレクター内部にメッキ加工方法で施している物は2種類御座います。1つは上の写真の様な白っぽいアルミニウム蒸着メッキ仕上げ、2つ目は弊社などが特化して行っているハイクオリティの電気メッキ加工仕上げです。1つ目のアルミニウム蒸着メッキ仕上げの場合は加工を施す終わったら、耐熱処理を施す為に加工終了後に内部に触れる事は上の写真の様になってしまいます。当然、経年劣化でもこの様になりますが・・・2つ目の電気メッキ加工仕上げの場合は内部を触れてもこの様な事にはなりません。何故なら、耐熱処理を施していなくても全く問題なく経年劣化するまで持つからです。それでは何故、旧車、現行車のリフレクター内部にアルミニウム蒸着メッキを施しているのかと言いますと、コストパフォーマンスが良いのとリフレクターの底の部分にもメッキがのりやすい、この事からリフレクターの内部にこの様なメッキ加工方法を選択している訳です。大手自動車メーカー様やバイクメーカー様、トラックメーカー様はビジネスとしてコストを考えて各部品単価を出来る限り低コストが可能な限りギリギリのお商売をされています。この事から考えますと、早ければアルミニウム蒸着メッキ仕上げのリフレクターが車検が通らない様な光量になるのは、約8年前後、長くとも10年この位には新品未使用品のリフレクターを購入するか弊社などの再メッキ加工(リクローム)会社に依頼するかの何れかになると思います。弊社は電気メッキ加工に特化しておりますので、アルミ蒸着メッキ仕上げよりもリフレクター内部の光量も高い上、長持ちするメッキ加工方法です。リフレクターの光量が低くなると車検の検査に通らないだけでは無く、夜間走行時、又、トンネルなどの位場所で走行が難しくなり、事故を起こしてしまうデメリットが発生致します。エンジンに関係は御座いませんので、日中の走行には全く問題は御座いませんがライトが少し暗く感じたなと思ったら直ぐに、交換されるか、再メッキ加工されるかお考えになられる事をお勧め致します。