経年劣化したバンパーで板金加工痕からメッキが浮いてきた状態でメッキ加工

このパーツは旧車のスチールメッキバンパーコーナー部分で

板金加工痕からメッキが浮いている箇所を綺麗に板金加工を

し直して欲しいと言う個人様からのご依頼です。

このコーナーパーツの連れはメッキが浮いていない状態なので

今のままで良いとの事でしたがコーナーバンパーを見てみると

バフ痕がくっきりと横のラインとして出ています。

このオーナー様はこのラインを残して再メッキ加工及び

板金加工をご希望されております。

しかしなぜ板金加工痕からこの様なメッキの浮きと

この様なヘアーラインが出てしまっているのか?

その答えは前回他のオーナー様が町のメッキ屋さんに

再メッキ加工と板金加工を依頼されたから年数が経ち

この様な残念なバンパーになってしまった事が分かります。

旧車と言えどもスチールメッキバンパーの純正物はバフ痕など

残す事は有り得ないです。

たまに旧車のトラック用メッキバンパーをバフ痕をあえて

きつめにし残す事は御座いますが普通自動車では

絶対に有り得ない事です。

折角のクロムメッキ加工仕上げも台無しになります。

それではこのコーナーバンパーをオーナー様の

ご依頼通りに仕上げる方法をご紹介させて頂きます。

初めにメッキを剥離致します。

写真に貼り付けさせて頂いている錆痕は溶けて無くなります。

そして裸になったスチールの生地を磨き板金加工致します。

この板金加工が今回命です。

この様な板金加工はバンパーを裏から叩いた後の小さな凹凸を

真鍮を溶かして肉盛りして生地を平らな形状に仕上げていきます。

昭和40年代はこの様な板金加工が支流でしたが

最近はパテで補修致します。(塗装の場合は)

ロウつけと言いますがかなりの熟練職人でなければ

写真の様な不細工な状態になりますので必ず専門会社で

板金加工と再メッキ加工(リクローム)された方が良いです。

板金加工終了後にバフ研磨により板金加工と元のスチールの

生地を合わせます。

今回はお客様のご要望で横ラインを全体に入れて欲しいと

おっしゃっていましたので荒目のバフで磨きラインを

生地に付けます。

番手は120番手で仕上げる様に致します。

通常は420番手仕上げですが・・・・

そして銅メッキ加工を施してスチール表面に同金属皮膜を

得ます。

更にもう一度バフ研磨作業を施す事により残りの

ピンホールに銅の粉が入って表面が綺麗になります。

そして2回目の銅メッキ加工を施してニッケルメッキ加工を

行います。

続いてクロムメッキ加工を施して仕上げに

青粉で丁寧に磨いて完了です。