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錆が酷過ぎるホイルキャップを再メッキ加工

上のパーツは60数年前の自動車用純正ホイルキャップです。この位の年代にしては経年劣化が少なく、オーナー様が普段から手入れされている上に室内保管されていた事がわかります。当然、自動車ですので4本タイヤが装着されている訳ですから純正ホイルキャップも4枚御座います。なぜかしら、3枚は程度が良いのですが1枚は上の写真の腐食が酷いキャップがお分かりになられると思いますが不思議です。60数年前のパーツと言う事もありメーカー在庫がある訳も無く、このホイルキャップを綺麗に加工するしか選択肢は御座いません。弊社のメッキランクで言いますと程度が良いホイルキャップ3枚は厚メッキ加工及び程度によっては板金加工。残り1枚の表面と裏面の錆が酷いホイルキャップは上メッキ加工を施さなければ綺麗になりません。因みに、弊社に再メッキ加工をご希望のお客様には電話で出来るだけ分かりやすくご説明をさせて頂くのですが、パーツを剥離しなければ経年劣化した商品は板金が必要なのか分かりませんと言うのですが、この錆が酷いホイルキャップは長年の経験から100%上メッキ加工を施さなければ程度が良いホイルキャップとの見栄えのバランスが合わない事が分かります。絶対とは言えませんが、恐らく左の前輪タイヤか左後輪タイヤに装着されていたのではと想定致します。(日本の道路はやや左が低い為、左のホイルキャップに水が溜まりやすいのでそれに比例して右より左が腐食しやすいとされています。この60数年前のホイルキャップもそうですが、最近のスチール製ホイルキャップも当時と同じくスチールの肉厚は薄くキツイ錆が有る場合はシアン剥離後に貫通穴が表面に現れる事は珍しくありません。その上に先程もご説明させて頂きました様にスチールの肉厚が薄い為に錆による貫通穴が見られた場合は高熱の真鍮を溶かした板金であるろう漬けを行うとその周りのスチールまで溶けてしまい、穴が更に大きくなる事が御座います。そうならない様に開発されたのが弊社の上メッキ加工です。この加工方法は高熱のろうを使用せずに細かな粒子のアルミニウム製金属パテを用いて表面補修を行います。この加工方法は再メッキで綺麗にならない素材、亜鉛ダイカスト所謂アンチモニ製部品にも使用しています。画期的な加工方法で普通のメッキ屋さんでは行っておりません。この上メッキ加工で再メッキ完成品は新品未使用品の仕上がりになります。