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メッキ加工旧車ポーターバンパーを板金

メッキ加工及び板金加工をする前の東洋工業(マツダ)1968年式ポーター純正クロムメッキバンパーです。素材はスチール製で肉厚は約1ミリ程度でかなり薄く作られています。今回のご依頼は業者様で写真の様に縦割れしている箇所を板金加工を施して弊社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ)を施して欲しいと言うご希望です。このマツダポーターは50年ほど前の軽トラックで中高年の方なら見たことが有るはずです。今、町を走っていたら目立つ事間違いなしで人気者になりますよ。形状は可愛い感じで小動物みたいです。ライトは丸目が特徴です。グリルもバンパー同様にクロムメッキ仕様で横長のラインが5本からなります。ボンネット型で今の様なすっきりしたフロントマスクでは御座いません。中古車市場に於いても当然球数は無く部品の替えも中々見つかりませんので、今装着されている部品を修理し使い回ししなければいけません。このバンパーを検品させて頂きましたが縦割れ部分だけでは無くて全体的にボコボコした様な凹みが全体に広がっております。再メッキ加工(リクローム)を施した事もある痕も御座います。結構歪な感じです。それでは板金加工有で厚メッキ加工の作業工程をご説明させて頂きます。最初に行う作業はシアン剥離です。何時も御説明をさせて頂いています様に硫酸や塩酸等で剥離作業したとしても完全にメッキは剥離出来ませんのでこの劇物であるシアンを使用致します。この剥離剤は町のメッキ屋さんでは使用しておりません。シアン剥離に要する日数はこのバンパーは約7日間です。綺麗に剥離できますとメッキが剥離出来ているのは当たり前ですが、経年劣化による錆も溶けて無くなっています。次に行う作業は板金加工です。このポーターバンパーの場合は縦割れ板金指定で他の凹みは手を加えなくても良いと言うお客様のご要望です。割れている部分をバンパー裏面からスチール製の当て板を使用し凹みの部分を形状修正致します。それが完了した段階で真鍮ろう付けで割れを閉じます。この作業は数十年作業している熟練作業員が加工を施します。板金加工が終了致しますとバフ研磨作業により180番手から徐々に番手を上げて行き最終420番手迄磨きます。荒目のバフを使用しませんのでバフ目が表面に現れる事は御座いませんのでクロムメッキ加工完成後の見栄えのクオリティも大変良い仕上がりになります。そして銅メッキ加工を施してバフ研磨しピンホールを埋めます。ここまでの作業を時間と手間を掛けると綺麗な仕上がりになります。