セドリック230フロントバンパー(凹みと歪み有)を再メッキ加工

このバンパーは3代目セドリック230(1971年式)の純正メッキバンパーです。黒色のマジックでお客様が板金加工を施したいとお考えの箇所に丸で囲んでいます。結構な歪みが出ているのは恐らくぶつけてしまった痕の様な感じが致します。錆の状態を裏面から見ますと43年ほど経っているわりには、マシだと思います。きっとオーナー様の手入れが良かったのだと思います。弊社は過去に初代、2代目、3代目のセドリックバンパーに板金加工有の再メッキ加工を行わせて頂いた経験から中メッキ加工(分厚いメッキ)+叩き上げ板金及びろう漬けでお客様は満足される事と考え、この方法をご提案させて頂きました。それではこの3代目セドリックバンパーの加工方法をご説明させて頂きます。何時もながら、初めに行う作業はメッキを剥離する作業になります。厚メッキ加工で使用する剥離剤はシアンを使用致します。因みに、町のメッキ屋さんの剥離は塩酸や濃硫酸を使用します。この様な剥離剤では完全に剥離できない為に見栄えのクオリティ、錆びにくさのクオリティ及びメッキが振動によってかなりの確率で剥がれます。自宅や事務所などの机や椅子などには町のメッキ屋さんに加工依頼する事はお勧めですが、特に自動車関連のパーツにメッキ加工や再メッキ加工をお考えの場合は弊社の様な専門工場に依頼する事が望ましいです。シアン剥離で約7日強かかります。そうするとバンパー素材であるスチールが表れてきます。その時には錆もメッキと一緒に溶けてしまいます。その為に上の写真にバンパー裏面の写真を貼り付けさせて頂いておりますが、この様な所も溶ける事になる訳です。この位の錆では恐らく腐食痕による貫通穴は出ないと思いますが、バンパー裏面のコーナー部分やナンバープレート取り付け部やバンパー上部と下部にはキツイ錆が出ている場合はシアン剥離後、貫通穴が表れる事は珍しい事では御座いません。この様な場合は、お客様にご連絡をさせて頂いてから追加の板金加工に入らさせて頂きます。しかしながらお客様がその箇所の見栄えのクオリティに対して拘りを持っていらっしゃらない場合は板金加工をしないで加工させて頂く事も可能です。弊社の熟練板金職人により表面を新品の様に生地を整えてからバフ研磨作業を行います。ここまでは素材表面を出来る限り綺麗にする事に徹します。ここから先の作業がメッキ加工になります。1回目の銅メッキ加工からバフ研磨でピンホールを埋めます。2回目の銅メッキ加工で完全に生地を整えます。ニッケルメッキ加工のポイントは分厚くする事により錆びにくさと綺麗さを追求出来ます。最後にクロムメッキ加工を施して綺麗な3代目セドリックフロントバンパーの完成品になります。