再メッキ加工と板金加工必要な47年前のバンパー

上の写真は1971年式4代目クラウンのリアバンパーです。リアバンパーの表面には3か所凹みと傷が見えます。クロムメッキの光沢は約47年前にしては少しながら光沢が残っています。表面の錆もそれほど目につく様な箇所も御座いません。今回のご依頼はこれら凹みを修正した上で弊社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ)をご依頼して頂きました。バンパーの全長は約1700ミリで当時の自動車としては大きい部類になります。形状は中央部ナンバープレート取り付け位置付近は細くなっている状態です。当然、この時代のバンパーですので素材はスチール製です。作業を行う工程は最初に必ずメッキを剥離しなくてはいけません。様々な剥離剤は御座いますがバンパーやグリルなどを再メッキ加工(リクローム)する場合、必ずシアンを使用して剥離致します。この剥離剤以外は適しません。デメリットとしては真鍮を溶けて無くなってしまいますのでスチール素材にメッキがかかっている場合に限ります。このリアバンパーの場合は約7日間で剥離が完了します。シアンを使用する剥離は大変に綺麗に剥離が完了する為に大変優れた剥離剤です。剥離終了後には錆部分も溶けてしまいます。上の写真にバンパー裏面にはキツイ錆が御座います。時にステー周辺部とステー内部に表れています。幾らバンパー表面が綺麗に見えても裏面からキツイ錆が表面のメッキで隠れている事は珍しくありません。剥離後に錆による貫通穴が表れる事は珍しくありません。この事例はスチール製バンパーの経年劣化に比例致します。要するに年数が経てば経つほどこの様な事が起きやすいと言う事です。続いて凹み部分の板金加工なのですが、上の写真の中で一番凹みが大きい個所の裏面にステーが付いているのですが板金加工に於いてこのステー部分が邪魔になる為に、一時的にステーを取り除く必要があります。この作業はかなりの技術を必要とする為に昔ながらの板金加工が出来る職人に依頼するしかありません。弊社の板金職人はこの様なバンパーにステーが溶接で付いている様な状態に於いても、取り外した上で凹み部分や傷を修正し、その後に取り外したステーを溶接によって元に戻す事が可能です。この様な凹み修正や傷修正を施してから厚メッキ加工を施します。バフ研磨作業に於いてスチール表面のピンホールや腐食痕等、板金加工部分を磨いて表面を綺麗に致します。番手は180番手から始め最終番手には420番手で仕上げます。