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旧車の経年劣化したプラスチック製メッキパーツに再メッキ加工(リクローム)

今回のお話は、旧車純正プラスチックメッキパーツに

クロムメッキ加工による再メッキ加工(リクローム)が

可能なのか?と言う事をご説明させて頂きます。

写真のグリルパーツは昭和49年式セドリックの

部品になります。

グリル本体はスチール製で、メッキがかかっている部品の

素材はABS製樹脂です。(プラスチック)

そのメッキ加工の種類はアルミニウム蒸着メッキです。

昭和の多くのディーラー車はこの方法をとっていました。

この方法を簡単に説明させて頂きますと

ABS製樹脂にアンダーコートとと言う物を下地にし

真空の窯の中で蒸着させる事でクロムメッキに見せかけた

出来上がりになります。

この方法は大量生産で低コストが実現できる為に

よく使用されていたと言う訳です。

この様な旧車の樹脂メッキパーツに再メッキ加工(リクローム)を

施す事は大変に難しく一番厄介なお仕事になります。

その訳は、樹脂が経年劣化致しますと劣化とともに硬くなり

薬品によって剥離する際に樹脂表面も溶けてしまうデメリットが

発生してしまいます。

その為に通常の工程ではメッキ加工が出来ず手間を掛けた方法に

よって加工を行う為に納期がかかり、お値段も割高になってしまいます。

自動車メーカー様の部品の在庫が有るのならばお買いお求めに

なられる事が望ましく、部品在庫が無い場合に限って加工を

お受けさせて頂いております。

メッキがかかった全ての劣化樹脂パーツが再メッキ加工(リクローム)が

可能なわけでは無く、樹脂表面のメッキが綺麗に剥離が出来るパーツのみ

加工させて頂いております。

もう一つ大切なお話で、掲載写真の中に色が付いたメッキパーツが

御座いますがこれはパーツにメッキをかけてから塗装されているので

加工終了後、車屋さんで二次加工して頂く事になります。

因みに自動車メーカー様の多くは10年位は部品在庫が有るみたいですが

10年を超えると在庫が無い場合もあるとの事です。

それでは加工の仕方ですが、完全にメッキが剥離できABS表面が

綺麗な場合は電気によるクロムメッキ加工か電気を用いない

乾式メッキ加工を行います。

メッキ工房光沢屋はハイクオリティの電気を用いるメッキ方法を

行います。

お客様によっては、純正メッキと同じようにアルミニウム蒸着メッキを

ご希望される方もいらっしゃいます。

断然に電気を用いるメッキ方法の方が見栄えが大変良く

更に長持ち致します。

いずれにしても、旧車のプラスチックメッキパーツに再メッキ加工

リクロームされたい場合は、送って頂き剥離が出来るか

出来ないかを検品させて頂かなければいけません。