旧車のバンパーガードに再メッキ加工を施す

ご覧の写真はMGのバンパーガードと小物部品です。全てスチール製で部分的に腐食が酷い箇所が有る状態のバンパーガードが御座います。ガードの裏面を拝見させて頂きましたがメッキ剥離すると表面はメッキで隠れていますが錆による貫通穴が出る場合も考えられる腐食状態であると考えられます。他のバンパーガードも同じ自動車のパーツでは御座いますが程度が良い物も御座います。それではこれらのパーツに再メッキ加工を施す工程をご説明させて頂きます。当社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ)+板金加工でこれらのパーツは新品未使用品に近い状態になると思われますのでこのランクでのお話となりますが、まずメッキ全てをシアンにより完全剥離しスチールその物に致します。この時に先程、ご説明をさせて頂きましたバンパーガードの腐食が酷い表面と裏面の腐食による貫通穴や腐食痕が分かります。板金加工が必要な場合は、お客様にどのパーツのどの辺にどの位の腐食が有るかをご報告させて頂いた上で、お客様の許可を得たうえで板金加工させて頂く事となります。上の写真の中でアップの錆のバンパーガードが御座いますがこの部分には板金加工が必要であると間違えなく言えます。剥離終了後にある程度バフ研磨して小さな腐食痕やピンホールが消えるかを調べた上で熟練の板金職人による板金加工を施します。この作業に使用する板金方法は裏面による叩き出しやろうずけによる昔ながらの方法になります。たまに当社に初めて再メッキ加工をご依頼して頂いたお客様の中にご自分でろうずけや樹脂パテで加工された状態で送って頂く事が御座いますが、これらの状態でシアン剥離するとろうは溶けて無くなり、樹脂パテは溶けないで残りますが樹脂パテの上にはメッキがのりませんので意味が無くなってしまいます。その為にもご自分では板金加工されない状態でご発送して頂く事が望ましいと言う事になります。板金加工を施すと再メッキ加工の料金にプラスされますが熟練の板金職人にお任せになられるのが大正解であったと出来上がりを見れば分かって頂けると思います。毎日携わっている私でさえ毎回の加工前と加工後の違いに感動いたします。それだけメッキの下地の板金加工は難しいのです。(当社の上メッキ加工にはアルミニウム製金属パテを使用致します。)板金加工終了後はバフ研磨により徹底的に磨いて板金加工部分と元のスチール部分が真っ平らになる様に致します。次に銅メッキ加工を施してもう一度バフ研磨しピンホールと板金加工周辺部分に銅の粉を入れていきます。そしてもう一度銅メッキを施しニッケルメッキを分厚くしクロムメッキ加工しメッキ面にお化粧直しした上で完成品になります。