目黒製作所製S5型250CCバイクのマフラー、ライトリムを再メッキ加工

上の写真は旧車で目黒製作所製S5型250ccバイクのマフラーとエキゾーストパイプ、ライトリム、付属部品です。現在目黒製作所と言うバイクメーカーは存在していませんが1926年から1964年まで日本に存在したバイクメーカーでした。しかしその後、経営破綻から川崎に吸収された歴史があります。ですので当然、マフラーやエキゾーストパイプ、ライトリム等、新品の部品などが存在する事は無くバイクに装着されている経年劣化した部品を大切に使用する事しか方法は無い事になります。この場合、このS5型250ccは1959年過ぎに製作されていますので約60年近く時が経っています。写真をご覧の様に腐食が酷く貫通穴さえ存在しています。今回この部品に対して当社にご依頼頂いたお客様は個人様で当社に直接工場に持ち込んで頂き下メッキ加工(町のメッキ屋さんレベル)を選択されました。上の写真の再メッキ加工は町のメッキ屋さんレベルの仕上がりと言う事になりますが、元々の部品の60年程経った劣化腐食から考えるとまだ上々の出来レベルで有ると思われます。その方法とは当社の中メッキ加工(分厚いメッキ)や上メッキ加工(最高級モーターショー用クロムメッキ加工)の工程と違い一番最初に行う作業のメッキ剥離の薬品が違う事にあります。下メッキ加工の剥離剤は部品表面のクロムだけを剥離しその下地は剥離致しませんので剥離による錆までを溶かす貫通穴等は中メッキ加工や上メッキ加工の様な位出来ません。なぜなら剥離剤に中メッキ加工と上メッキ加工はシアンを使用してメッキのニッケルや銅、錆までも溶かして作業する差がここにメリットとデメリットとして出てしまうのです。マフラーやエキゾーストパイプなどのエンジンの熱がダイレクトにかかってしまう部品にはメッキが分厚過ぎると高熱に負けてメッキの割れや剥がれ等のデメリットが出てきます。しかしながら再メッキ加工後の見栄えのクオリティは上の写真より大変綺麗に仕上がります。経年劣化が酷いマフラーなどの再メッキ加工に於いては素材の腐食具合を見てしっかりと検品した上で当社のメッキランクを選択する事が最善の策で有ると言えます。結論から言いますとお客様のご予算と納期の余裕が有るのなら当社のメッキランク中メッキ加工が良いです。しかしながら今回はお客様のご要望で下メッキ加工(町のメッキ屋さんレベル)で満足いくと言う事でご商談が成立致しました。各オーナー様や業者様のご予算や納期、また見栄えのクオリティ、錆びにくさのクオリティの考え方が様々違いますので当社は部品検品後に当社のメッキランク全てお客様にご提案させて頂いた上でお客様ご自身でランクを指定して頂く事にさせて頂いております。