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バイク純正樹脂カバーにメッキ加工

バイクの純正燃料タンク樹脂製カバー

メッキ加工に於いて加工が可能か?不可かの条件は様々御座いますが、樹脂製品の場合、経年劣化部品よりも格段にメッキ加工が不可になる条件が御座います。上の写真は経年劣化している様に見えますが、実は新品未使用品のディーラー物でお客様がご自分でオリジナル塗装されている状態の写真です。金属製品の場合はオリジナル塗装されていてもメッキ加工は100%可能ですが、樹脂製品の場合はメーカー品にオリジナル塗装されている物には不可扱いになります。この燃料タンクカバーの素材はポリプロピレン製で元々塗装されていない状態であったそうです。お客様はオリジナル感を出したいと言うイメージでご覧の様に柿色っぽく、しかも部分的に黒色も塗装されました。もしオリジナル塗装していなければメッキ加工は可能でした。それでは何故、メーカー純正部品にメーカー塗装されている状態の部品はメッキ加工可能で、オリジナル塗装されている部品は不可になるのか、そのご説明をさせて頂きます。メーカー純正品の塗装は決められた方法で塗装が施されております。オリジナル塗装は全く塗装のやり方や綺麗さが違います。先程も言ったように金属製部品は100%加工が可能なのは薬品によって綺麗に剥離が出来ますが、オリジナル塗装は綺麗に塗装剥離が出来る確率は剥離しなければ分からないと言う危険性を伴います。この危険性とは樹脂部品自体を剥離剤で傷つけたり破損したりする事を意味します。金属はキツイ剥離剤で表面を荒らす事はあっても傷つけたり破損する事は御座いません。ディーラー物の新品未使用品に塗料が付着していても薬品負けする事も御座いません。(FRPメーカー純正部品に塗装が施されている物はメッキ加工が不可になります。)これらの事からメッキ加工を施したい為には塗装が施されていない方が良いと言う事です。やはり剥離剤を使用すると部品にとっては良くありません。細かく言うと、金属部品も本当は良くないのです。塗装だけでは無くて元々クロムメッキが施されている様な部品が経年劣化して、新品未使用品がお客様に手に入らない事があると思いますが、この時例えばアルミニウム製クロムメッキホイルが経年劣化により見栄えが悪くなり光沢が無く、メッキが剥がれている状態で再メッキ加工を施したとします。当然、剥離剤でメッキを完全に溶かさなくてはいけません。その時にアルミニウム表面も厳密に言うと溶かします。金属は素材が強い為にそれでも良いですが、樹脂特に経年劣化樹脂やそれらに塗装が付いていると樹脂は比較的に素材自体が脆い為にアルミニウムホイルの剥離の様に表面が溶けると更に素材が弱くなります。なので強引にメッキ加工を施したとしても部品の役割も出来ない上に見栄えの綺麗さも追求出来ない事になります。この様な理由でメーカー純正樹脂部品にオリジナル塗装されるとメッキ加工が出来ない、もしくは部品に対しての危険性があると言う事が言えます。このブログをご覧になられた方はメーカー純正品には出来ればオリジナル塗装はしない方が良い事を覚えておいて下さい。クロムメッキ加工をその部品にしたくなっても間違いなく加工不可になりますよ。

リベット留めバンパーを再メッキ加工を施す

リベット留めのバンパー
バンパーのリベット部分

本日のブログは写真をご覧の様にバンパー裏面に車体に取り付けするする為のステーをリベットで留めている状態の現物を再メッキ加工するお話をさせて頂きたいと思います。私は仕事柄、様々なバンパーを見てきましたがバンパー裏面に車体に装着する為に有るステーをリベットで留めている現物は初めて見て驚きました。このメッキバンパー表面はかなり経年劣化が進んでいるので全体的にキツイ錆が表面を覆っています。と言う事は恐らくこのバンパーは、ワンオフ製作バンパーでは無くてメーカー純正バンパーだと思われます。大概のメーカー純正バンパーはこの様な作りになっていないので、どの自動車のバンパーか気になります。後日お客様にお聞きしたいと思いますが、実はこのようにリベットで留めている様な部品はクオリティを高める為にリベットにドリルで穴を開けてステーとバンパーを分解しなければいけません。それは何故かと申しますと皆様がご承知の様にハイクオリティのバンパーは全て電気を使用して素材に電着させる方法でメッキ加工を施しております。ですのでリベット部分やその周辺は電気の流れも弱く、しかもバフが当たり難い事もあり見栄えのクオリティを錆びにくさのクオリティが下がってしまう事になるからです。このデメリットでは高いお金と時間をかけた事が無駄になってしまう為に、リベット部分を分解してからバンパーとステーを分けて、それぞれメッキ加工を施す作業を行う必要が御座います。バンパーではこの様なリベット留めはそう無いのですが、他の部品は案外とあります。例えばリフレクターやミラーなどはリベットで他の部品とかしめている事が多く、弊社で行う加工の上メッキ加工(最高級モーターショー用クロムメッキ仕上げ)と中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)は不可になります。当然リベットを飛ばして分解して別々の部品で加工する事は出来ますが。リベットをそのままの状態ではクオリティが追求出来ない為に不可となります。弊社の下メッキ加工はリベット固定されている様な部品に対しては加工は可能です。ここで気を付けなければいけないのが、旧車などは現行車で使用するリベットでは無い事が御座います。要するにリベットの形状が既に現在在庫が何処にも存在しない、購入できない事が御座いますのでリベットを飛ばす前にリベットやボルト問屋さんで在庫が有るか?もしくは製作してもらう事が加工かを調べてから作業に進むかどうするかを決めなければいけません。今回ご依頼頂いたバンパーのリベットは代わりが御座いますのでドリルでリベットを飛ばしても全く問題なく加工に進むことが出来ます。お客様は弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)を選択して頂きましたので、その加工方法をご紹介させて頂きます。まずは先程もご説明させて頂きました様にリベットをドリルで飛ばしてしまいます。ステー、バンパー共にスチール製です。ステーには黒色の塗料が付着していますので塗料を剥離致します。続いてバンパーにはメッキが付着していますのでシアン化合物で完全剥離致します。素材自体の表面が何も付いていない状態になってからバフ研磨作業を行います。番手は180番手から最終420番手で終了と致します。次に銅メッキ加工を施して2回目のバフ研磨によるピンホール埋め、次に2回目の銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工は分厚めに行い、最後にクロムメッキ加工を施します。先に綺麗になった表面を青粉で仕上げしてからバンパーとステーをリベット留めして完成品となります。