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サニートラックの経年劣化樹脂グリルをメッキ加工

40数年前のサニートラック経年劣化グリル
40数年前のサニートラック経年劣化樹脂グリルに割れ補修

この部品は40数年前の経年劣化したサニートラック純正樹脂グリルですが、業者様が割れている箇所やヒビが入っている箇所をパテ補修されている業態でご発送頂きました。当然、この時代の新品未使用品は手に入る事はまず御座いません。業者様のお話では台湾製のレプリカを購入して現物確認するとライト周りや様々な箇所にバリがあったりして見栄えのクオリティに難点があった為に、仕方なく40数年前の経年劣化して割れやヒビがある樹脂グリルを修理して送られたと言う経緯がありました。全体的に見るとまだマシなレベルで綺麗に保存されていた事が分かりました。しかしながら樹脂は金属と違い寿命が短いと言うデメリットが御座います。度々、経年劣化樹脂の特性のご説明をさせて頂いておりますが、年々樹脂表面が硬くなり次第に割れてきます。特にABS製樹脂は他の樹脂よりも幾分硬くなるのが早くなるので割れが出るのが早い傾向性が御座います。この時代の自動車に装備されている樹脂はABS部品が多く使用されています。このことから中古品に於いてもインターネットで購入したとしても割れが無くヒビが入っていない物は、そう簡単には手に入りません。ほとんどのサニートラック純正グリルに不具合があります。これらを総して経年劣化樹脂と専門用語で呼びます。因みに今回のサニートラックについて簡単にご説明をさせて頂きますが、2代目B120型で直列4気筒OHV、排気量は1171CC。形状はボンネットが前に出ていてノスタルジック感満載の小型軽量貨物自動車です。ノーマル車をカスタムして走行しているのをたまに拝見します。オーナーはイケイケのお兄さんが乗っているイメージがあります。それでは40数年前の経年劣化して割れているサニートラック純正グリルにクロムメッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。基本のお話になりますが、メッキ加工は湿式メッキと乾式メッキが御座います。今回は乾式メッキで加工する方法が良いと判断させて頂きました。理由は既に業者様が破損部分をパテ修正を施している事と、素材自体がメッキ槽の75度に耐えられないと想定致しました。よって湿式メッキ加工の工程上でのデメリットが高すぎる、グリルの破損が想定される事から乾式メッキ加工での方法になりました。しかしながら経年劣化樹脂の塗装剥離は湿式メッキの塗装剥離と同じ薬品を使用する為に、この剥離作業での割れる確率は同じです。但し、乾式メッキは湿式メッキの様にメッキ槽に漬ける事が無いので75度と言う様な高温に素材をさらす事は御座いません。ですので高温でグリルが割れる恐れが無いと言うメリットが金式メッキ加工には御座います。経年劣化した樹脂製グリルの塗装剥離で割れやすい箇所は上の写真で言えば入り組んでいる箇所や素材が薄い箇所、取り付けボルト周辺等、この様な所が破損する確率が高いです。工程上の破損は表面補修作業によって綺麗に生地を整えますのでメッキ加工完成時には綺麗な仕上がりとなります。

ディズニー装飾品に金メッキ加工を施す

ディズニー装飾品左側金メッキ
ディズニー装飾品右側3Dプリンター製作物

今回のお話は東京ディズニーランド内部で使用している装飾品に最近メッキ加工を施して欲しいと言う業者様からのご相談が御座いました。写真左側は金メッキ加工を既に施していますが、表面は少し傷が有り裏面はご覧の様に金メッキが剥がれている箇所と波打つ様な金メッキ膜が存在します。この金メッキ加工を施した装飾品は弊社で施工した物では無く、違う工場で加工依頼された物です。この2枚は共に3Dプリンター製作したワンオフ物だそうです。素材はABSライクと言う物を使用しています。表面は既に3000番研磨しています。業者様にお聞きするとディズニーシーで海水が付着してこの様に金メッキが剥がれたり、しわが付いたとのご説明をされていました。1枚は最近メッキ加工を施す。2枚目は3Dプリンターで新たに製作して表面と裏面を綺麗に、しかも見栄えが長持ちすると言うご依頼です。それでは見栄えのクオリティと海水が当たっても腐食しにくい製品にする為の加工方法をご紹介させて頂きます。まずは左側の金メッキ装飾品ですが専用の剥離剤で表面と裏面、側面、細部にわたって丁寧に剥離致します。この装飾品の金メッキ加工の以前の方法は乾式メッキ加工による金メッキ加工ですので、ABSライク表面にはアンダーコートと言う透明ビニールが付着しています。このコートは意外と剥離が難しいです。上からトップコート、金メッキ、アンダーコートの3層を完全剥離しなければいけません。これは湿式メッキの層とは異なります。同じ剥離剤では完全剥離が出来ません。次にABSライク全面を丁寧に磨きます。そして導電塗料を使用してから銅メッキ加工を施します。続いてニッケルメッキ加工、18金メッキ加工を施します。基本的に電気メッキ加工で分厚い金メッキを施したとしても必ずトップコートで保護膜を形成しなければいけません。カラーメッキもその部類です。クロムメッキはトップコートは必要御座いません。(自動車の一部グリルにはトップコートを使用致します。)今回の装飾品は海水が当たる箇所に設置しますので通常の厚みのトップコートでは長持ち致しません。この作業は自動車の塗装従事者が行う作業となります。続いて右側の3Dプリンター新品未使用品に金メッキ加工を施す方法ですが、メッキや塗料などは付着していませんので、剥離剤を使用する必要は御座いません。と言う事は加工賃の左側よろもお安くなります。加工日数も少し早くなります。施工方法は前者と同じです。気を付けなければいけない事はトップコートを綺麗に分厚めに加工する事につきます。この作業を行ったとしても10年ももつものでは御座いません。海水は全ての物質を腐食させてしまう程、酸が強く様々な物質が混ざっております。これらが装飾品に付着してそのまま手入れせずにほっておくと当然表面から腐食が始まり、次第にABSライク自体に浸透して腐食していきます。出来れば自動車やバイク、トラック部品にガラスコーティング剤やノンコンパウンドのワックスで手入れするのと同じようにしなければいけません。海水を侮ってはいけません。弊社は水上スキー部品やボート部品にクロムメッキ加工を施しておりますので海水がかかる部品には慣れております。