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再メッキ加工を30Z40数年前の純正樹脂メッキミラーカバーに施す

40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラー左右
40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラー腐食部分の拡大写真

今回の再メッキ加工は40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラー左右を綺麗にして欲しいと言う業者様からのご依頼です。この30Zは皆様もご承知の通り、旧車の愛好家の皆様に人気のある自動車で、近年海外、特にアメリカでは絶大な人気で取引価格もかなり高い様です。元々値段が高かったのに海外での取引価格の上昇から更に、日本の取引価格もグーンとお高くなっている様です。数少ない30Zやハコスカ、ケンメリ、豚ケツローレルや日本の旧車が海外で高値取引されている事をよく聞きます。日本国内の希少価値車も海外に流れていくので、更に国内の台数も少なくなっていると業者様からお聞きする事が多いです。今回の30Zやサニー等は亜鉛ダイカスト(アンチモニ)を採用せずにABS樹脂を使用しております。弊社のブログを何時もチェックして頂いている方ならご承知だと思いますが、旧車の多くに採用されている亜鉛ダイカスト(アンチモニ)ミラー部品には弊社の上メッキ加工を施せば綺麗に再メッキが出来ますが、経年劣化した樹脂に対してのメッキ加工は大変に難しいと言う事。金属の素材にもよりますが再メッキ加工が一番難しい亜鉛ダイカストでも表面補修を行えば綺麗な完成品が誕生いたします。しかしABS製樹脂等の樹脂製部品は、そもそも石油製なので素材自体が金属と比べると弱く、その上年数が経つと素材自体の伸縮性が無くなり、酸やアルカリなどの薬品に触れると素材表面にヒビが入ったり、酷い場合は割れてしまう事があります。この事から経年劣化した樹脂に対しての再メッキ加工は大変に難しいと言う理由になります。それに増して樹脂の肉厚が薄ければ薄い程、割れる確率が高くなります。一つの例で言えば30Z純正樹脂メッキウインカーカバーに再メッキ加工は概ね不可となります。その理由は素材の薄さに御座います。ウインカーの肉厚は約1.5ミリ程。ミラーカバーの肉厚は薄うカ所で2.5ミリ程度、金属であるならば全く問題御座いませんが、樹脂はそうはいきません。当然、弊社は樹脂製部品のほぼ全てのメーカー純正新品未使用品であればメッキ加工は可能だと思います。それでは40数年前の30Z純正樹脂製メッキミラーカバーをさいめっきかこうする工程をご説明させて頂きます。何よりまずは経年劣化樹脂表面に付着しているメッキと青錆を剥離剤によって取り除かなくてはいけません。その前にミラーカバーの見えない個所に対して薬品耐性があるかを調べます。検査に合格すると次に行う作業が剥離です。経年劣化製樹脂部品の表面には少なくともまるで蜘蛛の巣の様なヒビが表れます。これを細かな粒子のアルミニウム製金属パテで覆い隠します。そしてプライマー処理を施す事により傷んだ表面を修復させる事が可能です。次にプライマー表面に通電効果が出る様に導電塗料で細工を施します。後は弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)になります。銅メッキ加工、ピンホールを埋めるためのバフ研磨作業、2回目の銅メッキ加工、ニッケルを分厚めに、クロムメッキ加工を行えば完成品となります。この時の部品の見栄えは新品未使用品になります。この加工方法の完成品は最高級モーターショー用クロムメッキ仕上げで見栄えと長持ちのクオリティはどの部品よりも一番良い物になります。

分厚いメッキ加工をモーガンスリーホイラーのエアークリーナーに施す

モーガンスリーホイラー純正エアークリーナー
モーガンスリーホイラー正面写真のエアークリーナーヶ所

分厚いメッキ加工を施して欲しいと言うご依頼を頂いた、モーガンスリーホイラーの純正エアークリーナー部品と正面写真です。今回のご依頼主様からご丁寧にパーツがどの部分に装着されているかと、どの程度のクロムメッキの光沢感を出したか、分かりやすくご説明分も添えて頂きました。素材はアルミニウム製の様な質感で黒色塗装されています。肉厚は凄く薄い状態でまるで樹脂製品の様な感じもしました。上の写真、赤の印で囲んでいる箇所がそのエアークリーナーですが、確かにお客様がこの部分のエアークリーナーを分厚いクロムメッキ加工を施したいお気持ちも分かります。見るからに周りはクロムメッキ部品ですし、中心だけが黒色だと何かパッとしない感もあります。因みにモーガンスリーホイラーとは?初めて聞いたと言う方にご説明させて頂きますが、前輪2本と後輪1本で計3本で走行するオープンカーです。形状は昔の自動車の見栄えでエンジンがむき出しのスタイル。町を走行しているのを見かけるときっと目が行くと思いますよ。モーガンと言う歴史のあるイギリスで100年以上前に誕生した自動車会社です。排気量は1979ccで69馬力ですが、車重が585㎏しか御座いませんので結構スピードが出る様です。弊社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)でご商談が成立致しましたので、この加工方法を皆様にご紹介させて頂きます。最初にエアークリーナー表面に付いている黒色の塗料を丁寧に剥離していきます。この剥離剤は自動車修理工場で使用する物でかまいません。そしてアルミニウム素材にしてから脱脂と言う作業を行います。次にバフ研磨作業ですが、今回は部品の肉厚が大変に薄く少し力を加えると変形する様な状態ですから軽めに表面を磨いていきます。この作業は自動車修理工場様では出来ない作業ですので塗装剥離までが作業の限界です。バフの番手を180番手から徐々に上げて行き最終番手は420番手で止めます。もっと番手を上げて行くと更に素材の表面が綺麗になるのですが、そうなるとお客様にご請求する工賃が高くなる事から、420番手でも凄く綺麗な仕上がりになりますので、この程度でバフ研磨作業を終えておきます。続いて銅メッキ加工を施し2回目のバフ磨きを行いアルミニウム表面のピンホールを埋めていきます。この作業は大変大事な作業となりますので、必ず行わなければいけません。この作業を行わなければ見栄えに差が出てきます。ピンホール埋めが終了しますともう一度銅メッキ加工を施します。今回の部品は新品未使用品で腐食痕が無いので大丈夫なのですが、経年劣化している部品の場合、更に銅メッキ加工を施す事も御座います。続いてニッケルメッキ加工ですが分厚めにニッケルを付けます。この厚みにも限度が有るので分厚くしたら良いと言う物でも御座いません。あまり分厚くするとメッキが割れやすくなるからです。最後にクロムメッキ加工を施して仕上げの磨く作業を行えば完成品となります。完成品の見栄えは最高に綺麗な光沢が見れます。