ブログ

ホンダジャズ50の燃料タンクをメッキ加工

1996年式のホンダジャズ50の燃料タンクを装飾クロムメッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。今回のお客様は弊社のリピーター様で前回はレクサスのフロントグリルに最高級モーターショー用クロムメッキ加工をご依頼して頂きました。続いてバイクのご依頼となりました。燃料タンク自体は黒色塗装で形状はハーレーの燃料タンクの様な物です。排気量は50ccですがインパクトがありスタイリッシュなバイクです。当たり前ですが燃料タンク上部には鍵付属品が装着されておりその部分はクロムメッキ加工が施されております。ハーレーには似ていますがそこまで派手さが無く、お客様はハーレーに近い様な見栄えにする為にホイルと燃料タンク、ブラケットを装飾クロムメッキ加工でスタイリッシュに決めたいとお考えになられた様です。それでは1996年式ホンダジャズ50の純正燃料タンクをクロムメッキ加工を施して綺麗にする方法をご紹介させて頂きます。今回の様な旧車バイクの場合は、必ずと言ってよい程ガソリンが燃料タンクに残っています。その理由は燃料タンク内部には仕切り板と言う物が数枚入っており中々、内部にガソリンが出来らない構造になっております。トラックの燃料タンクも同じ内部構造になっています。まずは徹底的にガソリンを取り除く事から始めます。この作業は結構大変で手間がかかります。この作業の大変さは一度、燃料タンクにクロムメッキ加工を施した経験のある方ならお分かりになられると思います。その次に弊社でタンク内部の剥離作業を行いますが、その時に燃料タンク内部の錆とめも剥離してしまう事も有り直ぐに錆が表れます。続いて燃料タンク表面に傷やパテで補修されているかを確かめます。中古の燃料タンクの場合数個に1個の割合で樹脂パテで補修している物が御座います。湿式メッキ加工の場合は必ず樹脂パテを取り除いてから板金加工を施します。何故なら樹脂パテには通電効果が無い為にこの様な作業を行います。次にバフ研磨作業を行いますが何時も通り、180番手から順番を上げて行き最終420番手仕上げまで磨き込み致します。この時に経年劣化による腐食痕が残る事が御座います。その時はその部分を更に板金加工する事も御座います。(メッキの厚みでは消えません。)次に銅メッキ加工を施して2回目のバフ研磨作業を致します。毎回説明させて頂いておりますが、2回目のバフはピンホールを銅メッキの削れた粉を利用して埋める事が目的で行います。更にもう一度銅メッキ加工を行います。弊社では2回目の銅メッキ加工は基本料金に入っていますが、3回目の銅メッキ加工以上は追加料金が発生致します。この追加のメリットはピンホールが通常よりも大きい時に見栄えが良くなります。このメリットが出る様な腐食の場合はその都度、お客様にご相談をさせて頂いております。次にニッケル加工を分厚めに行います。次にクロムメッキ加工を施してから熱湯で燃料タンク外部と内部を洗浄致します。そして燃料タンク内部が錆びにくい様に内部に油を付けます。

メッキ加工でヤマハJZエンジン用タペットカバーを綺麗にする

ヤマハ製JZエンジン用タペットカバー
ヤマハ製JZエンジン用タペットカバーアップ1
ヤマハ製JZエンジン用タペットカバーアップ2

上の写真はトヨタ自動車がヤマハに製造依頼して誕生したJZエンジン用タペットカバーです。1990年過ぎからチェイサー等に積んでいた物でご覧の様に腐食がかなり進んで2500、ターボのロゴが消えかけています。素材はアルミニウムダイカストで製造されて、内部にはスチール製の板で張り付けされています。当然タペットカバー内部は油が付着しております。今回のお客様は旧車でレーシングカーを製作されている業者様で様々な自動車から元気なエンジンを他の自動車に移植してレーシングカーを製造されています。チェイサーのエンジンを他の旧車に乗せ換えるのに、このタペットカバーを綺麗に光沢を出したいと言うご希望です。ご覧の様に年数が30年程しか経っていないにも関わらず、かなり酷い経年劣化具合で中々手ごわい部品です。余談ですがタペットカバーやバイクのポイントカバー等に用いられるアルミニウム製ダイカストはスチール素材の様な経年劣化の見栄えでは御座いません。アルミニウム表面の錆はご覧の様な白っぽい粉が噴出して表面がボロボロになったり、青錆が出たり致します。スチール製部品が経年劣化しても上の写真の様な状態にはなりません。スチール製部品の経年劣化で見られるのはスチール独特な錆で黒い物が浮き出したり剥がれたり致します。素材の特性上この様な錆の違いが御座います。それではお客様のご要望であるクロムメッキ加工で光沢を出す施工方法をご紹介します。まずはタペットカバーに付着しているロゴマークと錆とめを剥離致します。今回は硝酸を使用致しますが剥離致しますとアルミニウム表面の錆だけでは無く、全体的にアルミニウム表面も溶ける事になります。これもスチールではこの様な事は無く、アルミニウムだけこの様な事になります。アルミニウムは柔らかみを帯びていて素材自体は弱い物です。アルミニウム表面から錆が出ている様な部品は、実は錆が出ていない個所も見えないだけで腐食している事が多くバイクや自動車などのアルミニウム製クロムメッキ部品を再メッキ加工する時に大変この事が良く分かります。これらの事から見ても今回のタペットカバーは剥離したらもっと沢山の腐食痕が確認される事は間違い御座いません。剥離終了後に徹底的にバフで磨きあげます。この作業は削る作業では御座いませんのでかなりの時間と手間がかかり、この様な経年劣化が酷い部品には加工賃が高くなる傾向性が御座います。要するに同じ部品を加工依頼する場合には素材自体の腐食具合に比例すると言う意味です。バフの番手は180番手からスタートして段階を踏んでゆき、最終420番手まで磨き込み致します。因みに鏡面ポリッシュ仕上げの場合は最終番手1000番程度磨き上げ致します。あくまでもバフレースで磨くので市販されている紙やすりで磨いても綺麗にはなりません。今回のタペットカバーは徹底的に追い込んでバフレースしても腐食痕は残る事になります。次に銅メッキ加工を施して2度目のバフ磨きでピンホールを埋めていきますが、腐食痕までの大きな穴は埋まりません。続いてもう一度銅メッキ加工を施してからニッケルメッキ加工を分厚く、最後のメッキ槽であるクロムメッキ加工を施してから完成品を研磨剤で丁寧に磨いて出来上がりとなります。

クオンコーナー樹脂製パネルクロムメッキ加工

UDクオンコーナーパネルクロムメッキ加工
クオンコーナーパネルクロムメッキアップ
クオンコーナーパネル裏面取り付け部分

日産UDトラックの大型トラック用純正コーナーパネルを最高級モーターショー用クロムメッキ加工した表面と裏面を掲載させて頂きました。この部品はメーカー純正クロムメッキ仕上げは御座いませんのでお客様から新品未使用品を送っていて頂いてこの様に綺麗に仕上げさせて頂きました。この部品の素材はポリプロピレン製樹脂で表面にはシボと言うザラザラした感じで出来ています。通常、自動車やバイク、トラック等のモーター関連純正メッキ部品や外品は100%と言って良い程、樹脂素材はABS製です。と言う事で今回の日産UD大型トラッククオンのポリプロピレン製部品にメッキ仕上げのオプションが無いのはその様な意味合いが御座います。それでは何故、メーカー様にはABS製部品にはメッキ部品のオプションが有って、他の樹脂部品にはメッキ仕上げのオプションが無いのかを少しながらご説明をさせて頂きます。度々、このブログでご説明させて頂いております様にメッキ加工には湿式メッキと乾式メッキの施工方法が御座います。弊社は湿式メッキに特化しております。ABSはこの2種類のメッキ方法に相性が良いと言う特徴が御座います。他の樹脂にはABSの様に相性が良く有りません。一言で言えば水と油の関係性です。最近は乾式メッキでも技術の進歩で他の樹脂素材にもメッキ加工が可能になっております。しかしながら、メッキ加工するにあたってメーカー様や外品メーカー様はコストと言う事を大前提で企画されて生産されます。コストパフォーマンスが悪い、しかも手間がかかり納期が遅くなる様な樹脂素材にメッキ仕上げのオプション品を企画する事は無いと思います。その為に大手モーター関連メーカー様はABS以外の樹脂素材にメッキ仕上げのオプション品を生産しないと言う理由です。反対に言えば大量生産されている自動車やバイク、トラック等の愛車にABSクロムメッキ仕上げのオプション以外にメッキ加工を施していると間違いなくインパクト絶大です。何故なら、世の中には存在しないクロムメッキ部品が誕生するのですからオリジナル製品です。町で同じ車種が走行していたり、駐車しているのを見かけたりするとオッとビックリしてしまう事でしょう。優越感に浸れます。それではABS製品以外のメッキ加工方法をご紹介させて頂きます。今回のポリプロピレン製樹脂を用いてお話しさせて頂きますと、メーカー純正新品未使用品を購入して頂きます。次に弊社にご発送して頂きお見積りと納期のご商談をさせて頂きます。お客様から加工の許可を頂くと次に工場に於いてポリプロピレン製部品を脱脂致します。この作業は人の手で触れた油分やホコリなどのメッキ加工を行う上で必須となる大切な工程です。この作業を怠るとメッキが浮いて来たり剥がれたり致します。次にポリプロピレン表面に粒々、シボを消す為に表面補修と言う作業を行います。この作業を施す事によりシボが消されツルツルの表面に仕上がります。そして導電塗料で通電するように致します。次に上の写真に貼り付けさせて頂いています裏面の取り付けステー部分にはメッキがかからない様に養生致します。この作業の意味はステー部分にメッキがのると取り付け出来ない事になるからです。要するに分厚くなるのではめ込みが出来ないと言う事です。そして銅メッキ加工を施してバフ研磨、2回目の銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工、クロムメッキ加工、仕上げに粒子の細かな研磨剤で表面を磨きます。ふき取り作業を行い、完成品に傷やホコリが付かない様に上の写真の様に塩化ビニールで保護致します。

メッキ加工依頼品の液抜きについて

本日のお話はメッキ加工依頼品の内部に残る液抜きについてお話をさせて頂きたいと思います。今回のお話で特に覚えておいて頂きたいのは個人様では無くて製作会社様です。例えば、大量生産品を6価クロメートや3価ホワイト、又は装飾クロムメッキ加工でも加工上、1カ所のメッキ槽で完成品となる訳では無くて数か所違うメッキ槽に漬けこみます。その時に量産品、ロット数が多い依頼品の場合メッキ加工工程上、その品物ばかり加工を行います。弊社だけでは無く他社様も同じですが、作業効率を高める為に依頼品の内部に違うメッキ液や薬品が入っている場合は一つ、一つ依頼品の違う液剤を手作業で取り除かなければいけません。この手間作業は単ロットの場合は有りですが、量産品の場合作業効率が悪すぎる事で他のお客様のメッキ加工依頼品の完成が遅れる事になります。加工が可能な量産品のロット数、又形状、大きさであっても残念ながらお受けできない事が御座います。気を付けなければいけないのが、製作会社様が完成品を設計される段階でその完成品の内部が液抜き出来るかを是非ともお考えの上で設計して頂けたらと思います。もし宜しければどういう意味かが分からないとか、依頼品の形状は大丈夫なのかとお問い合わせして頂いてもかまいません。喜んでアドバイスさせて頂きます。アングルで製作している様な依頼品は今回のお話しには無関係ですが、パイプ製品や管製品にはあてはまるお話です。製作会社様が一度作られると万が一依頼品のメッキ加工をどこの工場も受けてもらえない事になると、新たに依頼品を設計しなおした上で量産しなければいけません。この様な事は無駄である以外に何者でも御座いません。一つの良い例で言いますとスチール製パイプの場合まっすぐに1本でパイプ両端が貫通している状態で製作されているのが液抜きしやすく工程がスムーズです。これは誰でも理屈が分かると思います。次に先程と同じ部材で製作したL型の場合これも問題無く、どこの工場でも加工を受けてもらう事が出来ると思います。次にコの字型の場合ですがパイプの角度がキツイかどうか、このあたりから工程に支障をきたす事も御座います。形状が複雑な場合やまるで管楽器のホルンの様な場合、この様な形状は大変液抜きに手間がかかり量産品の場合は可能不可になったり、お受けできたとしても納期が長くなったり加工賃が割高になってしまう恐れが御座います。今回のお話で量産品の形状の状態によっては素材的には大丈夫であっても液抜きしづらい事だけで残念ながら依頼品をお受けできない事があったり、又は日本全国のメッキ工場に問い合わせして協力会社を探さなければいけない事態が発生する事を知って頂いたと思います。何度も言いますが製作会社様は設計される段階でまずは、大量生産品の場合その形状で工場が受けてくれるのかをお考えの上で製作される事をご期待させて頂きます。因みに、弊社には日本全国の製作会社様からこの様なご相談依頼がメールやお電話で頻繁に御座います。

メッキ加工でレイズゲノムホイルを綺麗にする

レイズゲノムアルミニウムホイル2ピース
レイズゲノムハブキャップ

メッキ加工によってレイズゲノムアルミニウム製ホイルを新品未使用品の様に綺麗にする方法をご紹介させて頂きます。因みに、レイズ様は弊社の東大阪工場の近くにあります。このホイルは2ピースによって完成するタイプでリムとスポークの間に化粧ボルト、それと中央部にあるハブキャップで構成されています。今回のお客様は北海道の在住で凍結剤などホイルの表面を傷めやすい土地柄だそうです。弊社の工場は本社工場の東大阪、東京工場、埼玉工場、静岡工場の様な冬に雪で覆われている様な土地柄では御座いませんので凍結剤などでホイルやバンパー、グリルなどのモーター関連部品を傷める頻度は少ないと思いますが東北地方や北海道はこの時期からモーター関連部品が劣化するスピードが早まります。今は部品が凍結剤や海水からクロムメッキ部品表面を守るガラスコーティング剤やワックスが御座いますが・・・特に部品表面に海水が付着してほおっておくと塩の結晶が出来てメッキが腐食して次第に素材自体が腐食する事になりますので皆様も日ごろの愛車のお手入れを怠らない様にしてください。因みに普通乗用車を洗車する時見落としがちな自動車の足回りや裏面も高水圧洗浄機で汚れを飛ばすと良いと言えます。このレイズゲノムアルミホイルは約20年前に購入された物でオーナー様が思入れが深く日ごろからお手入れされていたので経年劣化が少ない様に見えます。このことでリクロームの仕上がりも良い方に変わってきます。メッキランクに於いても弊社の中メッキ加工で充分に新品未使用品に仕上がると思います。それでは上の写真、20年程経過したレイズゲノムアルミホイルを再メッキ加工する為の方法をご紹介させて頂きます。ホイルに装着されている化粧ボルトとハブキャップを外す事から作業を行います。弊社はホイルに装飾メッキ加工を施す事には特化しておりますがホイルの付属部品の取り外し等は専門業者様に業務委託してトラブルが無い様に致します。今回のお客様はホイルだけでは無くてハブキャップや付属品も綺麗にクロムメッキ加工を施して欲しいと言うご要望です。リムパーツとスポークパーツに分かれますが別々にメッキ加工を施す事になります。実は1ピースホイルよりも2ピースホイルの方が細部までバフ研磨出来る上に電気の流れも良くなる為に更にハイクオリティで完成品に仕上がります。アルミニウムホイルの場合は剥離剤でスチールよりも表面が溶けやすいので新品時のホイル強度よりも少し強度が落ちてしまいます。なので何回も再メッキ加工を施すのはあまり良くありません。次にバフ研磨作業に入りますが弊社はホイル用を磨く為だけにある専用バフレースで徹底的に磨き込み致します。そして銅メッキ加工を施してからアルミニウム表面にあるピンホールを消す為に2度目のバフレースを致します。そしてニッケル、クロムと電解メッキ加工を施します。次にハブキャップ部品にクロムメッキ加工ですが表面にクリアー塗装されております。剥離して加工する事は可能なのですが、その場合デメリットが発生致します。それはレイズゲノムのロゴが見えなくなるのです。あまりお勧めできません。化粧ボルトにクロムメッキ加工は出来ます。ねじ山にはメッキが付かない様に養生を致しますのでホイルを組み立てる上で不具合が発生する事は御座いません。

サニートラックの経年劣化樹脂グリルをメッキ加工

40数年前のサニートラック経年劣化グリル
40数年前のサニートラック経年劣化樹脂グリルに割れ補修

この部品は40数年前の経年劣化したサニートラック純正樹脂グリルですが、業者様が割れている箇所やヒビが入っている箇所をパテ補修されている業態でご発送頂きました。当然、この時代の新品未使用品は手に入る事はまず御座いません。業者様のお話では台湾製のレプリカを購入して現物確認するとライト周りや様々な箇所にバリがあったりして見栄えのクオリティに難点があった為に、仕方なく40数年前の経年劣化して割れやヒビがある樹脂グリルを修理して送られたと言う経緯がありました。全体的に見るとまだマシなレベルで綺麗に保存されていた事が分かりました。しかしながら樹脂は金属と違い寿命が短いと言うデメリットが御座います。度々、経年劣化樹脂の特性のご説明をさせて頂いておりますが、年々樹脂表面が硬くなり次第に割れてきます。特にABS製樹脂は他の樹脂よりも幾分硬くなるのが早くなるので割れが出るのが早い傾向性が御座います。この時代の自動車に装備されている樹脂はABS部品が多く使用されています。このことから中古品に於いてもインターネットで購入したとしても割れが無くヒビが入っていない物は、そう簡単には手に入りません。ほとんどのサニートラック純正グリルに不具合があります。これらを総して経年劣化樹脂と専門用語で呼びます。因みに今回のサニートラックについて簡単にご説明をさせて頂きますが、2代目B120型で直列4気筒OHV、排気量は1171CC。形状はボンネットが前に出ていてノスタルジック感満載の小型軽量貨物自動車です。ノーマル車をカスタムして走行しているのをたまに拝見します。オーナーはイケイケのお兄さんが乗っているイメージがあります。それでは40数年前の経年劣化して割れているサニートラック純正グリルにクロムメッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。基本のお話になりますが、メッキ加工は湿式メッキと乾式メッキが御座います。今回は乾式メッキで加工する方法が良いと判断させて頂きました。理由は既に業者様が破損部分をパテ修正を施している事と、素材自体がメッキ槽の75度に耐えられないと想定致しました。よって湿式メッキ加工の工程上でのデメリットが高すぎる、グリルの破損が想定される事から乾式メッキ加工での方法になりました。しかしながら経年劣化樹脂の塗装剥離は湿式メッキの塗装剥離と同じ薬品を使用する為に、この剥離作業での割れる確率は同じです。但し、乾式メッキは湿式メッキの様にメッキ槽に漬ける事が無いので75度と言う様な高温に素材をさらす事は御座いません。ですので高温でグリルが割れる恐れが無いと言うメリットが金式メッキ加工には御座います。経年劣化した樹脂製グリルの塗装剥離で割れやすい箇所は上の写真で言えば入り組んでいる箇所や素材が薄い箇所、取り付けボルト周辺等、この様な所が破損する確率が高いです。工程上の破損は表面補修作業によって綺麗に生地を整えますのでメッキ加工完成時には綺麗な仕上がりとなります。

ディズニー装飾品に金メッキ加工を施す

ディズニー装飾品左側金メッキ
ディズニー装飾品右側3Dプリンター製作物

今回のお話は東京ディズニーランド内部で使用している装飾品に最近メッキ加工を施して欲しいと言う業者様からのご相談が御座いました。写真左側は金メッキ加工を既に施していますが、表面は少し傷が有り裏面はご覧の様に金メッキが剥がれている箇所と波打つ様な金メッキ膜が存在します。この金メッキ加工を施した装飾品は弊社で施工した物では無く、違う工場で加工依頼された物です。この2枚は共に3Dプリンター製作したワンオフ物だそうです。素材はABSライクと言う物を使用しています。表面は既に3000番研磨しています。業者様にお聞きするとディズニーシーで海水が付着してこの様に金メッキが剥がれたり、しわが付いたとのご説明をされていました。1枚は最近メッキ加工を施す。2枚目は3Dプリンターで新たに製作して表面と裏面を綺麗に、しかも見栄えが長持ちすると言うご依頼です。それでは見栄えのクオリティと海水が当たっても腐食しにくい製品にする為の加工方法をご紹介させて頂きます。まずは左側の金メッキ装飾品ですが専用の剥離剤で表面と裏面、側面、細部にわたって丁寧に剥離致します。この装飾品の金メッキ加工の以前の方法は乾式メッキ加工による金メッキ加工ですので、ABSライク表面にはアンダーコートと言う透明ビニールが付着しています。このコートは意外と剥離が難しいです。上からトップコート、金メッキ、アンダーコートの3層を完全剥離しなければいけません。これは湿式メッキの層とは異なります。同じ剥離剤では完全剥離が出来ません。次にABSライク全面を丁寧に磨きます。そして導電塗料を使用してから銅メッキ加工を施します。続いてニッケルメッキ加工、18金メッキ加工を施します。基本的に電気メッキ加工で分厚い金メッキを施したとしても必ずトップコートで保護膜を形成しなければいけません。カラーメッキもその部類です。クロムメッキはトップコートは必要御座いません。(自動車の一部グリルにはトップコートを使用致します。)今回の装飾品は海水が当たる箇所に設置しますので通常の厚みのトップコートでは長持ち致しません。この作業は自動車の塗装従事者が行う作業となります。続いて右側の3Dプリンター新品未使用品に金メッキ加工を施す方法ですが、メッキや塗料などは付着していませんので、剥離剤を使用する必要は御座いません。と言う事は加工賃の左側よろもお安くなります。加工日数も少し早くなります。施工方法は前者と同じです。気を付けなければいけない事はトップコートを綺麗に分厚めに加工する事につきます。この作業を行ったとしても10年ももつものでは御座いません。海水は全ての物質を腐食させてしまう程、酸が強く様々な物質が混ざっております。これらが装飾品に付着してそのまま手入れせずにほっておくと当然表面から腐食が始まり、次第にABSライク自体に浸透して腐食していきます。出来れば自動車やバイク、トラック部品にガラスコーティング剤やノンコンパウンドのワックスで手入れするのと同じようにしなければいけません。海水を侮ってはいけません。弊社は水上スキー部品やボート部品にクロムメッキ加工を施しておりますので海水がかかる部品には慣れております。

ワイパーにメッキ加工を施す為の注意点

メーカー純正新品未使用品ワイパー

クロムメッキ加工を施したいとご相談が有る中で自動車のワイパーは人気の部品です。旧車、現行車共にご相談が多いですが、ワイパーにクロムメッキ加工を施したい場合注意すべき点が御座います。それは何かと言いますと現行車の場合はメーカー純正未使用品でなければ加工をお受けさせて頂く事が出来ない点にあります。上の写真を見て下さい。ワイパーとブレード全てメーカーの袋に入っている状態の新品未使用品です。弊社の代理店様やリピーター様はご依頼頂く前にメーカーでワイパーを購入して弊社にご発送頂いております。特に現行車のワイパー部品の多くに樹脂を部分的に使用している事が多く昨日も皆様にご報告させて頂きました様に樹脂製部品は基本的にメーカー純正新品未使用品のみ加工可能と言わせて頂きましたが、ワイパーもそれと同様と言う事になります。弊社は今までに数多くのワイパーにクロムメッキ加工を施させて頂きました。その中で沢山のクオリティを上げる方法を掴んできました。又、反対にクオリティが下がるワイパーも見てきました。これらの情報から特に現行車のワイパーは昔と違う素材を使ったり形状もリアワイパーとなると大きく製作されていたりします。ワイパー部品のメインは骨組みですからスチールを使用している事が多いですがブレードは樹脂を使用している事も御座いますし、ワイパーブレードと可動部のネジを隠すワイパーキャップ等はABS製樹脂やポリプロピレン製樹脂を使用していたり致します。またワイパーに装着されているゴムホースをワイパーの骨組みに付ける極小さな樹脂部品等、ワイパーの骨組みとブレードのも様々な樹脂が使用されているのが分かります。強引にクロムメッキ加工を経年劣化したワイパーにクロムメッキ加工を施す事は容易いのですが見栄えのクオリティと長持ちするクオリティを考えると、やはり経年劣化したワイパーやブレードはお客様にとってメリットが少ないと言う答えになります。旧車で今から50年程前の外車や国産車の高級車に純正でクロムメッキ加工を施したワイパーとブレードが御座います。この時代は全て金属製で出来ており再メッキ加工は当然可能となります。ここで一つワイパーとブレードにクロムメッキ加工を施す例をお話しさせて頂きます。普通自動車のワイパーにクロムメッキ加工のご依頼件数よりも、けた違いで多いのが大型トラックと中型トラックのお客様です。大型トラックのワイパーは基本3本御座います。ブレードが3本とワイパーが3本、新品未使用品で送られて来たらまずはウォッシャー液を通すゴム、ワイパー、ブレード、樹脂のホース留め、ワイパーキャップに分解致します。次に金属部品と樹脂製部品に分けます。何時もお話ししています様に金属と樹脂はクロムメッキ加工の下地構成が全く違う為に、この様に分類しなくてはいけません。そして金属部品は塗装が付いていますので剥離致します。樹脂部品には塗装が付いていませんので脱脂を致します。先の工程は何時も御説明をさせて頂いておりますので省かせて頂きます。この様にワイパー、ブレードも様々な部品から出来上がっております。クロムメッキ加工の仕上がりのクオリティを上げる為には絶対にメーカー純正新品未使用品を使用しねければいけません。この事を覚えておいて下さい。

バイク純正樹脂カバーにメッキ加工

バイクの純正燃料タンク樹脂製カバー

メッキ加工に於いて加工が可能か?不可かの条件は様々御座いますが、樹脂製品の場合、経年劣化部品よりも格段にメッキ加工が不可になる条件が御座います。上の写真は経年劣化している様に見えますが、実は新品未使用品のディーラー物でお客様がご自分でオリジナル塗装されている状態の写真です。金属製品の場合はオリジナル塗装されていてもメッキ加工は100%可能ですが、樹脂製品の場合はメーカー品にオリジナル塗装されている物には不可扱いになります。この燃料タンクカバーの素材はポリプロピレン製で元々塗装されていない状態であったそうです。お客様はオリジナル感を出したいと言うイメージでご覧の様に柿色っぽく、しかも部分的に黒色も塗装されました。もしオリジナル塗装していなければメッキ加工は可能でした。それでは何故、メーカー純正部品にメーカー塗装されている状態の部品はメッキ加工可能で、オリジナル塗装されている部品は不可になるのか、そのご説明をさせて頂きます。メーカー純正品の塗装は決められた方法で塗装が施されております。オリジナル塗装は全く塗装のやり方や綺麗さが違います。先程も言ったように金属製部品は100%加工が可能なのは薬品によって綺麗に剥離が出来ますが、オリジナル塗装は綺麗に塗装剥離が出来る確率は剥離しなければ分からないと言う危険性を伴います。この危険性とは樹脂部品自体を剥離剤で傷つけたり破損したりする事を意味します。金属はキツイ剥離剤で表面を荒らす事はあっても傷つけたり破損する事は御座いません。ディーラー物の新品未使用品に塗料が付着していても薬品負けする事も御座いません。(FRPメーカー純正部品に塗装が施されている物はメッキ加工が不可になります。)これらの事からメッキ加工を施したい為には塗装が施されていない方が良いと言う事です。やはり剥離剤を使用すると部品にとっては良くありません。細かく言うと、金属部品も本当は良くないのです。塗装だけでは無くて元々クロムメッキが施されている様な部品が経年劣化して、新品未使用品がお客様に手に入らない事があると思いますが、この時例えばアルミニウム製クロムメッキホイルが経年劣化により見栄えが悪くなり光沢が無く、メッキが剥がれている状態で再メッキ加工を施したとします。当然、剥離剤でメッキを完全に溶かさなくてはいけません。その時にアルミニウム表面も厳密に言うと溶かします。金属は素材が強い為にそれでも良いですが、樹脂特に経年劣化樹脂やそれらに塗装が付いていると樹脂は比較的に素材自体が脆い為にアルミニウムホイルの剥離の様に表面が溶けると更に素材が弱くなります。なので強引にメッキ加工を施したとしても部品の役割も出来ない上に見栄えの綺麗さも追求出来ない事になります。この様な理由でメーカー純正樹脂部品にオリジナル塗装されるとメッキ加工が出来ない、もしくは部品に対しての危険性があると言う事が言えます。このブログをご覧になられた方はメーカー純正品には出来ればオリジナル塗装はしない方が良い事を覚えておいて下さい。クロムメッキ加工をその部品にしたくなっても間違いなく加工不可になりますよ。

リベット留めバンパーを再メッキ加工を施す

リベット留めのバンパー
バンパーのリベット部分

本日のブログは写真をご覧の様にバンパー裏面に車体に取り付けするする為のステーをリベットで留めている状態の現物を再メッキ加工するお話をさせて頂きたいと思います。私は仕事柄、様々なバンパーを見てきましたがバンパー裏面に車体に装着する為に有るステーをリベットで留めている現物は初めて見て驚きました。このメッキバンパー表面はかなり経年劣化が進んでいるので全体的にキツイ錆が表面を覆っています。と言う事は恐らくこのバンパーは、ワンオフ製作バンパーでは無くてメーカー純正バンパーだと思われます。大概のメーカー純正バンパーはこの様な作りになっていないので、どの自動車のバンパーか気になります。後日お客様にお聞きしたいと思いますが、実はこのようにリベットで留めている様な部品はクオリティを高める為にリベットにドリルで穴を開けてステーとバンパーを分解しなければいけません。それは何故かと申しますと皆様がご承知の様にハイクオリティのバンパーは全て電気を使用して素材に電着させる方法でメッキ加工を施しております。ですのでリベット部分やその周辺は電気の流れも弱く、しかもバフが当たり難い事もあり見栄えのクオリティを錆びにくさのクオリティが下がってしまう事になるからです。このデメリットでは高いお金と時間をかけた事が無駄になってしまう為に、リベット部分を分解してからバンパーとステーを分けて、それぞれメッキ加工を施す作業を行う必要が御座います。バンパーではこの様なリベット留めはそう無いのですが、他の部品は案外とあります。例えばリフレクターやミラーなどはリベットで他の部品とかしめている事が多く、弊社で行う加工の上メッキ加工(最高級モーターショー用クロムメッキ仕上げ)と中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)は不可になります。当然リベットを飛ばして分解して別々の部品で加工する事は出来ますが。リベットをそのままの状態ではクオリティが追求出来ない為に不可となります。弊社の下メッキ加工はリベット固定されている様な部品に対しては加工は可能です。ここで気を付けなければいけないのが、旧車などは現行車で使用するリベットでは無い事が御座います。要するにリベットの形状が既に現在在庫が何処にも存在しない、購入できない事が御座いますのでリベットを飛ばす前にリベットやボルト問屋さんで在庫が有るか?もしくは製作してもらう事が加工かを調べてから作業に進むかどうするかを決めなければいけません。今回ご依頼頂いたバンパーのリベットは代わりが御座いますのでドリルでリベットを飛ばしても全く問題なく加工に進むことが出来ます。お客様は弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)を選択して頂きましたので、その加工方法をご紹介させて頂きます。まずは先程もご説明させて頂きました様にリベットをドリルで飛ばしてしまいます。ステー、バンパー共にスチール製です。ステーには黒色の塗料が付着していますので塗料を剥離致します。続いてバンパーにはメッキが付着していますのでシアン化合物で完全剥離致します。素材自体の表面が何も付いていない状態になってからバフ研磨作業を行います。番手は180番手から最終420番手で終了と致します。次に銅メッキ加工を施して2回目のバフ研磨によるピンホール埋め、次に2回目の銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工は分厚めに行い、最後にクロムメッキ加工を施します。先に綺麗になった表面を青粉で仕上げしてからバンパーとステーをリベット留めして完成品となります。