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メッキ加工前の事故破損したバンパーに板金加工を施した状態

上の写真は以前ご紹介させて頂きました30Z3分割リアバンパーが衝突事故により大きく凹み歪みが生じて深い傷が付いた状態から板金加工を施したビフォー、アフター写真になります。写真では分かりにくいかも分かりませんがバンパー裏のステーから全体的に歪んでしまってクロムメッキ完成後シャーシ―に取り付け出来ない程でした。バンパー裏面には必ずシャーシーに取り付けするステーにボルトが装着されていたりボルト穴が御座います。事故などでバンパーの中央部あたりが大きく凹むとバンパー左右のステーから中央部にかけて歪みが生じてしまいバンパーを外して次に装着する事は不可能な状態になります。その為に弊社ではバンパーのメッキ剥離後、叩き上げろう板金加工終了後に一度バンパーをお客様にお返しをして頂いてからステー取り付け調整を行って頂いてから、もう一度弊社にご発送して頂いてから再メッキ加工(リクローム)を施す提案をさせて頂いております。その理由は、板金加工、クロムメッキ加工を施して完成品をお客様の元に送らせて頂いてその後に自動車屋さんなどでステー調整をすると最悪の場合、折角綺麗に仕上がったメッキが割れてしまう事が有るからです。強引にバンパーを力任せに曲げるとメッキ自体は金属ですので当然不具合が生じてしまいますし、道具でバンパーを挟んだりするとメッキ表面に傷が付く恐れもあり良い事は何も御座いません。その結論から弊社ではお客様の立場、そして自動車屋さんの立場から考えさせて頂いた結果が、板金加工終了後にお客様の元にお返しさせて頂いた上でステー調整を施して頂く事になりました。確かに人によれば面倒だと感じるかも分かりませんがお金と納期を掛けて頂いている訳ですから一番良い状態で愛車にバンパーを装着される事が絶対に良いです。上の写真の状態はあくまでも凹み部分と全体的にバンパーの素地が伸びている状態を叩き上げ更にろう板金加工によりサンダー痕や板金加工痕が残っておりますがこのままメッキ加工を施す訳では御座いません。この状態からバフ研磨作業によって180番手から徐々に番手を上げて行き最終420番手(鏡の様な顔が映る状態)に仕上げます。その上で銅メッキ加工終了後に2回目のピンホール埋めを施して2回目の銅メッキ加工を施しますので写真の様な状態では納品しません。因みに、このお客様は弊社の上メッキ加工を選択されておりますので細かな粒子のアルミニウム製金属パテ及びプライマー処理もバンパー表面に施しますので新品未使用品の仕上がりになります。

メッキ加工及び板金による1952年式フォードFグリルを綺麗に

メッキ加工及び板金加工を必要とする1952年式フォードFグリル7パーツを綺麗にする為のご説明をさせて頂きます。今回のお客様はこの自動車を手に入れられて元はグリルがクロムメッキで有ったのに塗装がされていた為に、当時の様にクロムメッキグリルで愛車を維持したいと言うご希望で弊社にご依頼して頂きました。このフォードFシリーズは1948年から製造開始の歴史ある車種で昔のアメリカ映画で出てくるピットアップトラックでっぱりの有るボンネットが特徴です。上の写真をご覧頂くとお分かりになられますが塗装と光沢クリアーで腐食や歪み及び板金加工痕を隠していいます。かなり綺麗に隠されていますので剥離致しますとビックリする様な生地の悪さだと感じます。1952年式と言う事ですから今から68年前のスチール製グリルですから想像絶する様な見栄えだろうと考えられます。この位の年数が経ちますと特にこの様な肉厚が薄いスチールはパーツ全体的にキツイ錆で覆われていますので板金加工を施したとしても表面が有る程度しか綺麗に仕上がらない事が多いです。最悪の場合、板金加工が施しようがない位腐食が悪い事も御座います。板金加工と言っても様々施工方法が御座いますが現代に於ける自動車の板金の様に樹脂パテ、サフェーサー、プライマー処理では通電化効果が無い為にクロムメッキが出来ません。となると昔ながらのろう付け板金になります。先程もご説明させて頂きました様に素材が薄くしかも部分的では無く、全体的にキツイ錆の場合ろう(真鍮)を溶かして腐食部分に流す訳ですから熱によって更に穴が大きくなる事に・・・。その様などうしようも無い状態の部品に対して行うメッキ加工が弊社の上メッキ加工になります。この加工方法は画期的な施工方法で板金と言う概念が御座いません。剥離後に部品表面が腐食などでボロボロになった素材表面を細かな粒子のアルミニウム製金属パテで表面補修し更に腐食しにくい様にプライマー処理を行う事に特徴があります。この方法は通常の自動車部品にクロムメッキ加工を施す事に特化した工場でも行っていない加工方法です。例えば、事故などで旧車のバンパーが大きく凹み更に傷が深い場合、当然経年劣化しているので元通りもしくは新品未使用品の見栄えまで程遠い仕上がりになる事が今までのクロムメッキ加工に特化した工場でした。しかし、上メッキ加工による加工方法はご説明させて頂きました様に板金加工と言う概念がそもそも無い為に、概ねの事故破損バンパーや経年劣化が酷いバンパーやグリルも新品未使用品に甦る事が可能になりました。

再メッキ加工及び表面補修有りでエンブレムボディとボンネットエンブレム

再メッキ加工を施すのですが通常再メッキ加工が出来ない素材アンチモニ(亜鉛ダイカスト)部品のご紹介です。上のパーツは60数年前の初代観音開きクラウンのフロントグリルに装着されているエンブレムボディ台座とボンネットエンブレム(オーナメント)です。これらのパーツは自動車の目立つ箇所に装着されていますので再メッキ加工(リクローム)を施すと旧車の息が甦ります。但し、これらのパーツは通常の再メッキ加工の方法では綺麗に甦る事は御座いません。アンチモニ素材(亜鉛ダイカスト)はメッキ加工前の下処理で素材表面を溶かす事とこの素材は元々巣穴が存在し、しかも経年劣化により更に巣穴が大きくなる為に綺麗に仕上がらない事に有ります。いくらバフ研磨作業でアンチモニ(亜鉛ダイカスト)を磨いても全く綺麗になりません。メッキの分厚さでも全く綺麗になる事も御座いません。ですので装飾クロムメッキ加工に特化している工場や自動車関連に特化している工場に於いてもアンチモニに対しての再メッキ加工は出来ないと言われる事はそこに原因が有ります。弊社はこのアンチモニ(亜鉛ダイカスト)素材の希少価値部品に特化した専門業者です。弊社でメッキ加工や再メッキ加工が出来ない部品はヒンジなどでピンでかしめている物が御座いますが物理的に分解出来ない物は加工出来ません。しかしレストア専門業者様等で分解して頂けましたらアンチモニ素材のヒンジも新品未使用品よりも綺麗な光沢で錆びない部品でお客様にご提供させて頂く事が可能です。その加工方法とはどの様に再メッキ加工を施すのかと言うと、アンチモニ製品を剥離した時に表面に現れる大きな巣穴やピンホールに細かな粒子のアルミニウム製金属パテで表面を綺麗にし、更にプライマー処理を施す事により、表面が平らに錆びにくい下処理をする事で、元の新品部品よりも錆びない付加価値を付ける事でお客様に喜んで頂く事が出来る事にあります。この下処理の作業がアンチモニ製部品に再メッキ加工を施す上で肝になる作業です。そしてプライマー処理した表面には物理的に電気が流れません。導電塗料を使用し部材表面に通電化効果が出るようにした上で、銅メッキ加工を施しバフ研磨を行います。その時に削れた銅の粉を用いてピンホールを埋めます。2回目の銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工を施して最後にクロムメッキ加工をして再メッキ加工は終了となります。仕上げに青粉でクロム表面を磨いて完成品の出来上がりとなります。

再メッキ加工及び板金ハーレークレイジーフランクフェンダー

再メッキ加工及び板金加工をご希望された今回のパーツ名は、アメリカのハーレー用カスタムメーカー製作品ハーレー用クレイジーフランクフェンダーです。素材は全てスチール製で元は塗装が施されていてフェンダー表面に溶接されている丸パイプとの段差にはパテで表面がなだらかになっていた様です。このパーツのオーナー様は4か月ほど前にフェンダー周囲に溶接されている丸パイプとフェンダーとの間に有る隙間を板金加工を施して隙間を無くした上でクロムメッキ加工を施したいとバイク屋さんでお願いをされて出来上がったのが上の写真の様に隙間が埋まっておらずがっかりされて弊社にご相談して頂きました。このオーナー様のお話をお伺いさせて頂いた時に、このパーツに対してかなりの拘りをお持ちだと強く感じさせて頂きました。弊社も今までに様々なオリジナルパーツやカスタム製品に板金加工を施した上でメッキ加工を施させて頂きましたが、今回のご相談内容はバイクフェンダーに於いてはトップレバルでした。今回のオーナー様とのご商談で出来る限り溝を埋めて綺麗にして愛車に装着したいご希望を受けさせて頂きましたので加工方法を皆様にご紹介させて頂きます。検品で感じたのは前回お客様がご依頼されたバイク屋さん、塗装を剥離してパテが出てきた時はビックリされただろうと可愛そうな気持になりました。この溝全てにパテが有る場合パテを全て取り除かなければ次の工程に進むことが出来ないからです。パテを全て取り除くだけでもかなりの手間が掛ります。隙間に少しでもパテが残っているとメッキがのりませんから。弊社でまず初めに行う作業は剥離です。シアンで約1週間強漬け込み表面をスチールその物に致します。そこからが板金加工になります。上の写真ではお分かりになりにくいですがかなり深さがあります。しかも前周囲といたる箇所に丸パイプが溶接されています。当然板金加工を施したとしても面出しするのもかなり難しくサンダー等で削るとフェンダー本体に刃が当たって傷を着けてクオリティが下がる恐れもあります。弊社の熟練板金加工職人が作業にあたりますが、皆様もお分かりになられます様に絵で描いた様な仕上がりになるとは限りません。しかし時間と手間を惜しまず補修を施します。次に行う作業はバフがけです。普通の形状のフェンダーでは御座いませんので専用バフ等を使用し作業を行います。特に入り組んでいるか所にはルーターを使用して磨きます。次に銅メッキ加工を行いますがこのフェンダーにあった治具を作らなければいけません。銅メッキ終了後にもう一度バフ研磨によりフェンダー表面に有るピンホール埋め、二回目の銅メッキ加工、次にニッケルメッキを分厚く、最後にクロムメッキ加工を施して綺麗になったフェンダー全体を更に青粉で丁寧に磨いて完成品になります。

銅メッキ加工で旧車BМWのエンジンカバー

このパーツは、旧車BМWのエンジンカバーです。素材はスチール製でボルト留めする穴が数か所あるのですがその箇所には同じスチールの金具をろう付けしています。このオーナー様は個人様で初めてのお取引で弊社の工場に持ち込みで来られました。検品させて頂いた時にブラスト痕(ショット)がエンジンカバー全体に見えていました。元々このパーツの表面には塗料が付いていて表面が錆でザラザラな状態であったのでお客様は剥離剤に浸すと錆も溶けて貫通穴が出るのを恐れてブラストで塗料を落としたとおっしゃっていました。オーナー様はクロムメッキ加工をご希望されておらず、再度オリジナル塗装を施す下地として塩化銅メッキを分厚くして腐食しにくくする為の作業依頼でした。ですので少し色合いが違うかも分かりませんが、これも銅メッキ加工なのです。通常の銅メッキ加工よりも分厚くしている為に銅メッキ槽に時間を長く漬け込んでいます。当然、この上に塗料で覆い隠す為にバフ研磨作業も省いております。加工としては脱脂作業及び塩化銅の長漬けと言う工程です。これで腐食しにくくなります。今回のご依頼の目的は滅多に御座いませんので皆様にご紹介をさせて頂きました。他にも腐食しにくいメッキ加工としまして溶融亜鉛メッキやユニクロメッキそしてクロメート等が御座います。今回のお客様の様に様々な用途にメッキを用います。基本的に金属類の多くの素材は素材に腐食しにくい物で覆い隠さなければ錆が出てきます。その為にメッキが有ります。弊社で特化しているクロムメッキ加工も腐食を防止するメッキの1つですがその付加価値として銀の様な綺麗な光沢を出す加工もある訳です。メッキ加工の種類は数100種類あります。なかなか全てのメッキの長所と短所を覚えてお客様がご判断される事はまず不可能です。弊社は全てのメッキ加工に精通しております。お客様のご依頼したいパーツをどの様な用途で使用する事をお考えなのか?そのお考えを教えて下されば最適なメッキの種類をご提案させて頂いた上で、弊社でメッキ加工を施させて頂きます。因みに樹脂部品に於いても同様です。樹脂は金属類よりも腐食しにくいですが経年劣化によって段々と素材が硬くなりしまいにはヒビが表面に入り割れてしまいます。そうならない様に樹脂表面にもトップコートやメッキを用いて保護いたします。

本金メッキ加工で長文字エンブレム

上の写真は大型トラック三菱スパーグレートの純正メッキエンブレムです。既にメッキが施されているのですが、今回ご依頼頂いたお客様はこの純正エンブレムに本金メッキを程して愛車に装着したいと言うご希望です。このお客様のスーパーグレートはハイキャブで純正のメッキオプションが通常のキャブに有る様なパーツが無い為に、エンブレムだけでは無くフェンダー切り込み有りタイプ左右、ハイキャブ用ステップ本体左右、ステップウオール左右、ステップスカート左右と言う拘りのお客様です。因みに、これらのパーツはFRP製でメーカー純正新品未使用品で未塗装のみ最高級モーターショー用クロムメッキ加工が可能となる商品です。パーツが金属製品の場合は新品未使用品に限らず経年劣化しているパーツにの本金メッキ加工やクロムメッキ加工を施す事は可能です。例えば、メッキ加工と言っても様々な加工方法が御座いますが何と言っても一番綺麗で長持ちするメッキ方法は電気を使用する電気メッキ加工です。その中でもメッキの厚みや光沢に拘り特に365日24時間走りっぱなしに近い過酷な状態でトラックを走行しているメッキマニア様にとって最高品質への拘りは通常の拘りとは全く次元が違います。それもそのはず、一年やそこらでメッキがくすんだり剥げたりする事は許しがたい事。この様な最高品質にしか手を出さないのが弊社の最高級モーターショー用クロムメッキ加工及び本金メッキ加工です。しかしながらデメリットも御座います。偽物のメッキ加工よりお値段が高い事です。考え方にもよりますが愛車に装着しているメッキパーツが見栄えも悪くしかも、その見栄えが悪いメッキパーツが1年や2年で剥がれたり更に見栄えが悪くなって、メッキ加工業者に再度加工賃を払っての繰り返し、この様な選択の方が結局工賃が高くなります。お客様にとってどちらを選択すればお得になるのかその部分をしっかりと考えなければいけません。それでは上の長文字を本金メッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。まずはエンブレム表面に付いているメッキを剥離致します。最初にご説明させて頂きましたがメーカー純正で新品未使用品でABS、PP等の樹脂に対しては完全剥離が可能なのですが、FRP製品に塗装が施されている場合には巣穴やピンホールに入ってしまっている塗料は物理的に取れません。更に新品未使用品以外の経年劣化樹脂の場合は素材が脆い為に剥離剤に負けてしまいヒビが入ったり割れる危険性が高い為に薬品検査が必要となります。剥離完了後に表面補修を施して長文字エンブレムに電気を通す為の専用治具を装着致します。今回の文字の頭文字は大文字で2個目の文字は小文字、しかも、繋がっているか所は小さい為に通常は裏面に治具を装着致しますが、今回は表面にの治具痕が付きます。これは文字の長さや形状に治具装着位置を変えます。そうしなければ本金メッキがのっている部分と本金メッキがのっていない部分が出てしまい大変に格好が悪い仕上がりになるからです。弊社はこの様な部品それぞれの特徴を熟練職人が判断し、そのパーツにとって一番良い仕上がりに致します。

メッキ加工で割れが発生しているインパラデッキパネル3分割

上のパーツはインパラのデッキパネルです。写真では分かりにくいかも分かりませんが中央部のパネルに数か所に渡ってヒビが確認できます。インパラデッキパネルの素材はアルミニウム製で肉厚2ミリ程度で一枚のアルミニウム板から出来ています。端々は強度を高める為に折り曲げています。サイドのパネルもアルミニウム製で肉厚も折り曲げ強化も同じです。中央部のパネルの長さは約1400ミリ、サイドパネルは250ミリの2枚で3分割になります。皆様もお分かりになられていると思いますが、サイドパネル2枚のクロムメッキの光沢と中央部パネルの光沢の違いに気づかれていると思います。お客様がオークションで程度が良いインパラデッキパネルを購入されて組み合わせて弊社に送って頂きました。このインパラのデッキパネルは純正新品未使用品は手に入る事は御座いません。ですので綺麗にしたい場合はインパラに装着しているデッキパネルを外してメッキ加工を施すか、又はオークションなどでデッキパネルを落札しメッキ加工を施すしか方法が御座いません。しかし中々、程度が良い状態のデッキパネは無くて写真の様に割れが表面に見える物や経年劣化によりご覧の様になっているのが殆どです。その理由は最初にご紹介させて頂きました様にインパラデッキパネルの肉厚が2ミリ程度でアルミニウム製板を金型で成型している為に強度が弱くひねりや衝撃に対してこの様な状態になります。インパラを扱う専門業者様やインパラのオーナー様ならご承知の事です。レストアする時に厄介になるパーツの一つです。それではこのインパラデッキパネルを再メッキ加工により綺麗にする方法をご紹介させて頂きます。1番最初に行うのは表面剥離です。デッキパネルに付着しているクロムメッキ、ニッケルメッキ、銅メッキを完全に剥離致します。万が一、表面剥離しないで再メッキ加工を施してもメッキは付きません。メッキ加工や再メッキ加工を施すには元々パーツに付着している物は全て邪魔になってしまう為です。メッキを完全剥離出来たら2番目に行う作業はバフ研磨作業です。アルミニウム製品をバフ研磨するのとスチール製品をバフ研磨するのとは全く違います。アルミニウムの研磨の方が難しいです。アルミニウムはスチールよりも柔らかく巣穴やピンホールが多いのも特徴です。特に経年劣化した状態になったり板金加工を必要とする場合はかなりの技術が必要となります。写真に貼り付けさせて頂いた様な小さな割れでさえスチールの板金加工の様にはいきません。その為にもこの様なパーツでも新品未使用品の様な仕上がりをお求めになるお客様には弊社のメッキランク上メッキ加工が望ましと言えます。この作業は板金加工やメッキ厚でピンホールを埋めたりする様な考え方では御座いません。アルミニウム製金属パテにより表面補修を施した状態にしてから厚メッキ加工を施すと言う考え方の方法です。

再メッキ加工と板金加工必要な47年前のバンパー

上の写真は1971年式4代目クラウンのリアバンパーです。リアバンパーの表面には3か所凹みと傷が見えます。クロムメッキの光沢は約47年前にしては少しながら光沢が残っています。表面の錆もそれほど目につく様な箇所も御座いません。今回のご依頼はこれら凹みを修正した上で弊社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ)をご依頼して頂きました。バンパーの全長は約1700ミリで当時の自動車としては大きい部類になります。形状は中央部ナンバープレート取り付け位置付近は細くなっている状態です。当然、この時代のバンパーですので素材はスチール製です。作業を行う工程は最初に必ずメッキを剥離しなくてはいけません。様々な剥離剤は御座いますがバンパーやグリルなどを再メッキ加工(リクローム)する場合、必ずシアンを使用して剥離致します。この剥離剤以外は適しません。デメリットとしては真鍮を溶けて無くなってしまいますのでスチール素材にメッキがかかっている場合に限ります。このリアバンパーの場合は約7日間で剥離が完了します。シアンを使用する剥離は大変に綺麗に剥離が完了する為に大変優れた剥離剤です。剥離終了後には錆部分も溶けてしまいます。上の写真にバンパー裏面にはキツイ錆が御座います。時にステー周辺部とステー内部に表れています。幾らバンパー表面が綺麗に見えても裏面からキツイ錆が表面のメッキで隠れている事は珍しくありません。剥離後に錆による貫通穴が表れる事は珍しくありません。この事例はスチール製バンパーの経年劣化に比例致します。要するに年数が経てば経つほどこの様な事が起きやすいと言う事です。続いて凹み部分の板金加工なのですが、上の写真の中で一番凹みが大きい個所の裏面にステーが付いているのですが板金加工に於いてこのステー部分が邪魔になる為に、一時的にステーを取り除く必要があります。この作業はかなりの技術を必要とする為に昔ながらの板金加工が出来る職人に依頼するしかありません。弊社の板金職人はこの様なバンパーにステーが溶接で付いている様な状態に於いても、取り外した上で凹み部分や傷を修正し、その後に取り外したステーを溶接によって元に戻す事が可能です。この様な凹み修正や傷修正を施してから厚メッキ加工を施します。バフ研磨作業に於いてスチール表面のピンホールや腐食痕等、板金加工部分を磨いて表面を綺麗に致します。番手は180番手から始め最終番手には420番手で仕上げます。

メッキ加工前の経年劣化したライトリム

上の写真は60数年前のスチール製ライトリムでご覧の様にクロムメッキ表面には光沢が御座いません。年数が60数年経っているには大変綺麗な状態の様に感じます。この様に素材がスチール製でクロムメッキが施されている状態で60数年も経っている場合、いくら室内保管で手入れをされているとはいえ、ここまで綺麗な状態で残っている事はまれにみる事だと思います。大概はライトリム表面に黒い錆がまるで怪我をした時のかさべたの様な盛り上がりを見せたり、更に酷ければ錆が原因の穴が開いている事が有るほどです。因みに、このライトリムは初代観音開きクラウンで最近各パーツに対して再メッキ加工及び板金加工、表面補修の工程のお話を写真付きで皆様にご説明させて頂いております。今回のライトリムの場合は2個とも素材の生地は生きており尚且つ板金加工も必要がない様に感じられます。弊社のメッキランク中メッキ加工(分厚いメッキ)をお客様にご提案させて頂きました。加工方法としてはライトリム全体に付着しているメッキを剥離します。その為の剥離剤はシアンを用いて約7日間漬け込みます。そうするとこのライトリムの生地であるスチールが表れます。スチールとは皆様がご承知の様に鉄です。鉄の丸裸な状態ですから、直ぐにこの表面は錆びます。指で触れたとたんに薄っすらと錆が出る程です。その様な状態になってからバフ研磨作業を行います。生地が綺麗ので180番手から順手を上げて行き最終番手は420番手で終了としています。バフ研磨が終了致しますと、脱脂作業を行う訳ですがスチール表面には研磨小粉や鉄粉などが付着していますので専用の薬品と専用の洗剤で汚れを丁寧に落とします。この作業を疎かにするとメッキの見栄えと錆びにくさ、素材であるスチールとメッキの間に不純物が付着している訳ですからメッキが剥がれやすくなる原因となります。この脱脂作業を丁寧にし次に銅メッキ加工を施します。ライトリム表面と裏面には綺麗な銅が付着しています。次に2回目のバフ研磨作業で元々生地の表面にあるピンホールを埋める為に削れた銅の粉がピンホールに入って行きます。続いて2回目の銅メッキ加工で更に表面を綺麗に致します。次にニッケルメッキ加工を分厚く致します。最後にクロムメッキ加工を施してメッキ面を細かな粒子の磨き粉で丁寧に磨いて完成致します。

メッキ加工をオリジナルマフラーとシーシーバーに展示品

上の写真はバイクカスタム店様からのご依頼でショーに展示する為にオリジナルマフラーとシーシーバーを製作されて弊社にご発送して頂きました。このパーツ全てお客様製作ですのでご覧の様なビフォーになっております。溶接部分が私たちモーター関連のメッキ業者としまして気になる部分です。例えば、この様な溶接部分の穴を埋めるとなると板金加工が必要となります。その板金加工とは真鍮を溶かして埋める方法である、ろう付けになる訳ですがこの様にバイクのマフラーは耐熱温度が非常に高いパーツとなりますので、弊社で行う上メッキ加工は不可になります。耐熱温度が高いメッキパーツの完成を目指すものは弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ)か下メッキ加工になります。当然、板金加工はろう付けのみです。注意しなければいけない物として極小の穴にはろう付け板金加工は出来ません。その場合、バフ研磨作業で極小の穴とその横を平らにさせてメッキで分厚くして埋める様にするか、この様な方法で作業を行います。皆様もご承知の通り大量生産型の自動溶接機であるならば綺麗な溶接個所になりますが、オリジナル製品で個人仕上げとなると大変難しくなります。今回のお客様は展示に間に合わせる事を第一条件にされて弊社のメッキランク下メッキ加工を選択されました。弊社の下メッキ加工と言いましても仕上がりは大変に綺麗に仕上がります。しかしながら中メッキ(分厚いメッキ)までの見栄えのクオリティと錆びにくさのクオリティまでは届きません。なぜかと言いますと、メッキ加工で行う薬品や作業が全く別物だからです。例えば、剥離剤は違うものを使いますし、バフ研磨作業も最終番手が全く違います。メッキ液も違いますし、各メッキに漬ける時間も異なります。この様に全ての作業が異なる訳ですからパーツの仕上がりや腐食の速度が違うのも当然と言えます。それでは、オリジナルマフラーとシーシーバーに下メッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。まず初めに表面剥離を行う為に強酸に漬け込みます。本来、厚メッキ加工でしたらシアンを使用致します。続いてバフ研磨作業ですが下メッキ加工の最終番手は180番手程度です。厚メッキ加工の最終番手は420番手です。必要で有る場合は更に番手を上げて行きます。続いて銅メッキ加工はマフラーの場合は厚メッキ加工も下メッキ加工も行いません。その理由はマフラーの様な高温にさらされる物は銅メッキの下地が溶けてしまいメッキが浮いてきてしまうからです。この様になっては意味が有りません。続いてニッケルメッキですがこれも一発勝負で決めなければ高温でメッキが剥がれやすくなります。最後にクロムメッキですがこれは厚メッキと下メッキでは槽に漬けこむ時間が異なります。