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メッキ加工を施す工程に於いて経年劣化樹脂が薬品負けするとどの様になるのか

経年劣化樹脂の薬品破損
経年劣化樹脂上部アップ薬品負け
経年劣化樹脂薬品負け

メッキ加工に於いて必ず使用する薬品。それは部品の材質によって使い分けるのですが金属の場合は樹脂と違って部品が経年劣化によって錆が出たり腐食痕が出る様な事があってもキツイ薬品にも耐えれるし、耐えれない場合には板金加工等を行う事により完成時には綺麗な状態で仕上がりますが、新品未使用品の樹脂は大丈夫なのですが経年劣化した樹脂は金属部品よりも断然キツイ薬品に弱く上の写真の様に寿命がきている場合はご覧の様に溶けてしまったり割れてしまったりと散々な結果に繋がるリスクがあるのです。要するに経年劣化した樹脂に装飾クロムメッキ加工を施す為にはこの様なデメリットが発生してしまう事もあると言う事です。全ての樹脂部品に見られる結果では御座いませんが、単なるその時の見栄えだけでは加工が出来るのか?出来ないのかの判断が物理的に出来ません。薬品に浸して見た結果がどうなのかと言う事でしか判断がつかないのです。弊社は全面的に経年劣化製樹脂に対して装飾クロムメッキ加工のご依頼を受けさせて頂いておりますが、お客様に喜んで頂く為にはより慎重に検品を行い装飾クロムメッキ加工の薬品に対して生地に耐性が有るのか、無いのかを判断させて頂く事に重点をおいておりますが上の写真の様な事になる事も御座います。危険な賭けみたいなものですので新品未使用品が手に入るのなら購入をお勧めさせて頂きます。因みに樹脂製品に対して剥離や脱脂作業を行わないで装飾クロムメッキ加工を施した場合は見栄えのクオリティはお客様のイメージとは程遠い仕上がりになります。上の写真で言いますと全体的に白っぽく変色している所はまだ生地が生きていますが黒っぽい又は生地が薄くなったり溶けている部分は経年劣化により樹脂の寿命と言う事です。この様な注意点がある樹脂はABS樹脂、ポリプロピレン、レジン、FRP、様々な合成樹脂等の経年劣化品です。例えば、自動車部品で例えますとリフレクター、グリル、樹脂バンパー、モール、アウタードアハンドル、エンブレム、ホイルキャップ、バイク部品の場合、カウル等、トラック部品の場合は樹脂製グリル、バッテリーカバー、通称シュノーケル、内装樹脂部品がそれらの気を付けなければいけない物です。

メッキ加工するのに塗装剥離後パテが入っていました

ホンダジャズ50燃料タンク塗装剥離後

メッキ加工を行う上で必須となるのが剥離ですが上の写真を見て頂くと中心部縦ラインに凹みがお分かりになられると思います。実は先日弊社代理店様よりご発送頂きました1996年式ホンダジャズ純正燃料タンクです。このバイクのオーナー様はこの代理店の社長の愛車で新品から現在まで使用していてこの様な事は記憶に無いとおっしゃっておられました。純正塗装を剥離致しますと樹脂パテで補修をされていました。結構綺麗に補修をされていました。実は新品未使用品の部品にメッキ加工を施す際、剥離後にパテで補修されている様な事がたまにおきています。特にトラックのドアやグリル、バイクの燃料タンク他、これらの共通点は素材の生地が薄い事です。それに純正塗装が施せれている様な部品。トラックのドアで言いますと10枚メッキ加工のご依頼があった場合1枚の確率でパテが入っています。先程のご説明させて頂きました様にメーカー純正の箱に入っている新品未使用品です。と言う事はメーカー純正品を作っている工程で部品に凹みが出てパテ補修した上で純正塗装されているのだと思います。今回の依頼品は既に24年近く経っているのでメーカークレーム出来ませんが皆様も新品未使用品だからと安心しない方が良いかもしれません。今回のお話は弊社にメッキ加工をご依頼して頂くお客様に損をさせない為のご説明をさせて頂きます。まずは薄い金属素材で新品未使用品、純正塗装されている様な部品に万が一パテが入ってる表面補修を施している場合にはメーカーにもよると思いますが交換してくれると思いますので弊社で塗装剥離してこの様な事になった場合にはお客様にご連絡させて頂いた上で商品を返送させて頂きます。そのパテが入っている部品を購入されたお店やディーラーに持って頂いてご説明をされれば新品未使用品と交換して頂ける確率が増します。次に旧車等の中古部品の場合は残念ながら新品未使用品では御座いませんので板金加工を施さなければ綺麗に装飾クロムメッキ加工が出来ません。更に中古部品に対して業者様が板金加工されて弊社にご発送して頂く事が御座いますが板金加工の上手い下手が御座いますのでメッキ加工完成時に見栄えの悪さが見えてしまう事が御座います。この場合はノークレーム扱いになりますので、見栄えに対して拘りがあるのなら板金加工も含めて弊社に依頼される事をお勧め致します。弊社の板金職人は私が言うのもおかしいですが変形している部品も見事に元に戻すほど達者です。板金加工賃も綺麗に仕上がるのにそんなに高くは御座いません。もし業者様が板金加工したいと思われる場合には完全に塗装剥離を施してサンダー痕を残さない様に仕上げて下さい。サンダー痕が残ってしまうとメッキ完成時に痕が残る事にも繋がります。お気を付けて作業して頂きます様宜しくお願い致します。

メッキ加工で50年以上前のスチール製カバースポット溶接付きを綺麗に

50年以上前のスチール製カバー
50年以上前のスチール製カバー表面
スポット溶接部分アップ

メッキ加工を施工する事でスチール製カバーに取り付けステーをスポット溶接している様な部品を綺麗にする事が出来るかのお話をさせて頂きます。上の部品は数週間前に業者様からポーターのバンパーを再メッキ加工により綺麗にしてほしいと言うご依頼を頂いた追加での部品となります。ご覧の様にスチール製カバー表面には経年劣化による腐食痕が全体的に見られれる状態です。実はそれよりも装飾クロムメッキ加工を行う上でスポット溶接部分やリベットとめしている様な部品の場合にはメッキがのりにくかったりするので見栄えが悪かったり、場合によっては取り付け部分が外れてしまう様な事が発生してしまう恐れがあると言う事です。例えばスチール製品とスチール製品を違う素材のリベットで取り付けしている部品にメッキ加工を施すとリベット部分が溶けて無くなる為に、最悪の場合メッキ槽の底に部品が落ちてしまう様な事にもなりかねません。何れにせよリベット留めしている部品はリベットを飛ばして分かれた部品を別々にメッキ加工を施してから再度リベットで留める方法。部品の見栄えも凄く良く見えますよ。次にスポット溶接している様な部品、上のスチール製カバーがそれです。この場合は小さなステーが付いている位なら全く問題は御座いませんが部品同士大きくければ見栄えのクオリティが凄く落ちてしまいます。弊社のメッキランク上メッキ加工と中メッキ加工に於いてリベット留めの部品には加工不可になる事が御座います。下メッキ加工は加工です。今回の50数年前のスチール製カバーには中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)での業者様のご要望ですので、この加工方法をご紹介させて頂きます。スチール製カバー表面と裏面のメッキと取り付けを行う為の両面テープを綺麗に剥離致します。シアンを使用しますがこの時に表面の錆も溶けてしまいます。その事から場合によっては貫通穴が表れてしまう事が御座います。今回の部品は50パーセントの確率でそれが表れると思います。これの結果は見栄えだけでは分からず、剥離しなければ結局のところ分かり事が出来ません。貫通穴が表れなくても少なからず腐食痕が表れる事は間違い御座いません。この様な時は板金加工で表面補修を施すます。今回の部品の裏面には両面テープで幸いして錆が少ししか出ていない為に大丈夫だと思いますが裏面がキツイ錆の場合は板金加工が不可になる事も珍しくありません。板金加工で表面補修出来る場合には必ずご依頼主様にご連絡させて頂いた上で加工させて頂きます。続いてバフ研磨で板金ヶ所とその他のヶ所を180番手から徐々に上げて行き420番手まで磨きます。次に銅メッキを施し再度バフレースによるピンホール埋めを行い、2度目の銅メッキ、続いてニッケルを分厚めに、クロムメッキを施し完成品となります。

メッキ加工で板金加工を施したハーレー用ハンドルを綺麗に

板金加工を施したハーレー用ハンドル
ハーレー用ハンドルに板金加工を施した個所アップ写真

メッキ加工で板金加工を施したハーレー用ハンドルを綺麗にし直す方法をご紹介させて頂きます。今回のご依頼主様は業者様でリピーター様で元々のハンドルを長さを変える為に板金加工されてこの様な板金加工痕とサンダーで削った痕が残っている状態で弊社に送って頂いた物です。ハンドルの素材はスチールで板金にはろうを使用しておられます。弊社にはハンドルを板金加工されて装飾クロムメッキを施して綺麗にするご依頼は珍しくは御座いませんが、その加工の仕方によっては不可になる事があったり折角板金加工を施したのに、もう一度やり直しして再度手間が掛ってしまう事が御座いますので今回のハンドルを例にご説明させて頂きます。板金を施したいハンドルを再メッキ加工する場合には必ずメッキ自体を剥離した上で板金する事が絶対条件です。何故ならば剥離したらろうが溶けて無くなってしまうからです。しかも通常、業者様がご自身で板金加工を施される場合にはメッキがかかっている箇所にサンダーの歯を当てて削り飛ばす方法でされています。この時にサンダー痕が全体についてしまいます。要は傷が全体的についている事になる訳です。これでは見栄えのクオリティが落ちてしまいます。この2点が再メッキ加工を行う上でマイナス要因になってしまいます。ですのでハンドルを板金加工したい場合はまずシアン剥離を行いスチール製ハンドルにメッキが付いていない状態で板金加工を施す事、この事が鉄則です。そしてバフレースを施しますが180番手から磨き込み最終420番手まで追い込みます。そうする事でハンドル表面が鏡の様になり完成後は新品未使用品の仕上がりになります。次に銅メッキを行いますがスチールハンドル表面に残っているピンホールや板金を施した部分を埋めるための加工です。銅メッキを施し終わったハンドルをもう一度バフレースして銅の粉を用いてそれらを埋めていきます。そしてもう一度分厚く銅メッキを施します。次にニッケルメッキ加工ですが長めにメッキ槽に漬けこみます。最後のメッキ槽がクロムメッキです。仕上げ作業を行いますが細かな粒子に青粉等で丁寧に全体を磨きます。今回はハンドル内部は空洞ですのでメッキ液が残っていないかを検査して完成品となります。今回のへーれー用ハンドルには数か所の板金加工を施された跡が御座いますがハンドル内部が途中で袋小路になっておりました。メッキ加工を施す場合には袋小路になっている物はドリルで穴を開けたり不可になる事が御座いますので、十分注意をされて加工を施されなければいけません。

メッキ加工ではなく鏡面ポリッシュ仕上げでL型タペットカバーを綺麗に

L型タペットカバー
JZタペットカバークロムメッキ加工

メッキ加工仕上げでは無く鏡面ポリッシュ仕上げでL型タペットカバーを綺麗にするお話をさせて頂きます。今回ご依頼頂いたお客様は個人様でL型タペットカバー表面とファンネル表面を綺麗にしてエンジンに装着したいと言うご希望です。弊社に部品を持ち込んで頂いて約20分前後、弊社のメッキランクごとにL型タペットカバー表面の綺麗さ、そして弊社の鏡面ポリッシュ仕上げランクごとの綺麗さを細部までご説明をさせて頂きました。そもそもボンネット内部エンジン関連部品を綺麗にしたいと言うお客様は業者様に多く、展示会や専門雑誌等で見た個人様が弊社などの自動車やバイク、トラックモーター関連に特化した工場に依頼しますがこの様な場合は3つに分かれます。1つ目はタペットカバー類にオリジナル塗装する方法。2つ目はタペットカバーに装飾クロムメッキ加工を施す方法。3つ目はタペットカバー表面を専用バフで鏡面ポリッシュ加工を施して綺麗に見せる方法。又、カーボンで覆い隠す方法も御座います。これらのタペットカバーを綺麗に見せる方法にも人それぞれ強い拘りが御座います。今回の個人様はとりあえず予算内で綺麗にしたいと言う事でしたので弊社の鏡面ポリッシュ中ランクで仕上げる事に決めて頂きました。因みに弊社は鏡面ポリッシュ仕上げには上ランクと中ランクで分けさせて頂いております。上ランクの鏡面ポリッシュ仕上げの出来栄えは入り組んだ箇所にも専用バフ仕上げで磨いている上に中ランクよりも数倍手間を掛けて追い込んで磨いていますので装飾クロムメッキ加工と同じ程度の光沢でしかも入り組んでいる箇所も凄く綺麗に仕上がる事が出来るランクです。続いて中ランクの鏡面ポリッシュ仕上げの見栄えはお客様の拘りが今より綺麗になれば良いと言う様なご要望の場合はこのランクでも充分綺麗に仕上がります。例えば展示会で物を見せる様な場合は上ランクによる鏡面ポリッシュ仕上げをお勧めいたします。ご自分で見たり仲間に見せてあげる程度なら充分中ランクの鏡面ポリッシュで良いですしお勧め致します。その加工賃の差は上を100とすると中は50と言う様な加工賃になります。それでは今回のL型タペットカバー中ランクの鏡面ポリッシュ仕上げの加工方法をご紹介させて頂きます。このタペットカバーはアルミニウムダイカスト(アンチモニ)で出来ており錆とめをされております。その錆とめはアルマイトと言います。モーター関連は勿論、その他のアルミニウム部品にもこのアルマイト加工されている事が多くメッキ加工に於いても鏡面ポリッシュ加工を施すにしてもアルマイトを剥離しなければ先の工程に入る事は出来ません。たまにご自分でタペットカバーやエンジンパーツをご自分で磨かれる方がいらっしゃいますがどれだけ時間をかけても剥離しなければ綺麗な見栄えにはなりません。何故ならアルマイトや表面に付着している汚れなどが磨く事で更に素材のピンホールや巣穴に入り込み悪循環になってしまいます。ご自分で磨かれる場合はせめて業者さんに剥離だけは依頼しましょう。剥離が完成致しますとアルミニウム専用バフで磨きます。番手は素材の状態に比例しますが、今回の腐食具合で言いますと180番手位から徐々に上げて行きます。当然手磨きやルーターやサンダーで磨くわけでは御座いません。7.5馬力のバフレースで磨くこみ致しますので綺麗さがその他の磨き方の全く違います。

メッキ加工で50数年前のスチール製ハブキャップを綺麗に(30Z純正)

30Z純正スチール製ハブキャップ
30Z純正スチール製ハブキャップ側面

メッキ加工で50年前の30Z純正スチール製ハブキャップを綺麗にする工程をご紹介させて頂きます。1番上の写真は真正面から撮影させて頂きました。純正ハブキャップには、そのセンターにはアルミニウム製の刻印と模様がある薄い板が張り付けており業者様の方で綺麗に剥がせた上で、弊社に送って頂きました。実は装飾クロムメッキ加工を施す工程でスチール部材とアルミニウム部材と同一で製作されている様な物はどちらかの部材が溶けてしまう事になるので、上記で述べました様に脱着して頂きました。メッキ加工完成時に再度スチール製ハブキャップとアルミニウム製刻印板を張り付けると純正時に戻ります。ハブキャップ側面写真をご覧頂きますとお分かりになられます様に50年前のスチールと言う事もあり経年劣化具合が凄い事になっています。指で表面をなぜるとザラザラでどの個所も綺麗なツルツルの表面は見つかりません。この様な場合は本当であれば弊社のメッキランク上メッキ加工をした方が絶対に良い腐食レベルです。このランクで再メッキ加工すると新品未使用品で尚且つ錆びないハブキャップに仕上がります。しかしながら加工賃が弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)よりも高い為と言うお客様にとってはデメリット感もあるのではと思います。今回はお客様のご希望ランクは中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)で場合によっては板金加工を施すと言う選択をして頂きましたので、このランクでの加工方法をご紹介させて頂きます。4個のスチール製ハブキャップ表面にはクロムメッキが殆ど残っていない状態ではありますが、所々残っていますのでシアン剥離致します。気を付けなければいけないのがこれだけの錆がキツイと通常の経年劣化したバンパー等のシアン剥離程長く剥離しますと錆全部が溶けてしまう為にハブキャップの殆どが無くなってしまう事態になりかねませんので1日、1日ハブキャップの剥離状態を確認しながら調整いていきます。慎重な剥離作業を終えると次の工程は軽めのバフレースです。その工程でハブキャップ表面の凹凸や腐食による貫通穴など見える場合は板金加工職人のアドバイスをもとにご依頼して頂いたお客様にご連絡させて頂いて板金加工をどこまでするのかなど打ち合わせを致します。恐らく今回のハブキャップは板金加工必須になると思います。板金加工でも気をつけなければいけない事があります。それは素材の肉厚と腐食具合によっては板金による熱により穴が更に大きくなる事があります。穴を広げない様に慎重に板金加工を致します。板金加工終了後はバフ研磨により表面の生地を出来る限り綺麗にしてから銅メッキ加工を施します。そしてもう一度バフ研磨する事で素材表面に残っているピンホールを銅の粉によって埋めていきます。そして2回目の銅メッキ加工を行い綺麗にはハブキャップ表面を作ります。2回目の銅メッキ加工までは全ての加工依頼品におこなっておりますが3回目や4回目等の銅メッキ加工仕上げはお客様にご連絡させて頂いた上で追加料金が発生する事になります。今回の様な経年劣化が酷い場合はこの様な事が行われる事が多いです。次にニッケル仕上げを施してクロムメッキ加工を施します。」

メッキ加工で経年劣化したPP製ダイナモカバーを綺麗に

ヨタ、ヤマハ共同開発エンジン用PP製カバー表面
トヨタ、ヤマハ共同開発エンジン用PP製カバー上部
トヨタ、ヤマハ共同開発エンジン用PP製カバー裏面

メッキ加工をする事で経年劣化したダイナモカバーをピカピカに綺麗にする施工方法を皆様にご紹介させて頂きます。上の写真は旧車チェイサー2500ccツインカム24バルブ(トヨタとヤマハが共同開発した証である刻印がダイナモカバー表面に見えます。)年代は20数年前だと思われますがPP製カバー表面は元々、廃車の自動車から外した為に汚れが酷く業者様に中性洗剤である程度、表面と裏面を綺麗にして頂いた上で、弊社の方で専用の薬品でカバーの表面がザラザラ(シボ)やトヨタ、ヤマハの刻印細部そして側面と裏面を極細の専用歯ブラシの様な物で磨いてこの様な綺麗に状態に致しました。トヨタ純正の新品未使用品PP製ダイナモカバーが手に入ればこの様な作業をしなくて済むのですが当然メーカー在庫があるはずが御座いません。そもそも、経年劣化した樹脂部品を最高級モーターショー用クロムメッキ加工を施すのは新品未使用品の加工と比べるとけた違いに難しく、10個中1個程度は樹脂その物が薬品負けして割れたりバラバラになる事も御座います。今回のPP製ダイナモカバーも写真添付では分かりにくいですが上から2枚目の写真、カバー上部の中央付近に既に経年劣化によると思われるヒビが入っていました。メッキ加工する工程での薬品を使用していない状態でこの様なヒビが入っているのですから経年劣化した樹脂に対する最高級モーターショー用クロムメッキ加工は難しいのもお分かりになられると思います。その上で特にPP製部品の表面には先程ご説明をさせて頂きました様にザラザラした表面(シボ)が御座います。このザラザラした箇所と刻印の段差部分に汚れが付着しているのを綺麗にするのがかなり手間がかかります。上のダイナモカバーをある程度綺麗にするだけでの30分強かかりました。もし皆様の中で経年劣化した樹脂製品に最高級モーターショー用クロムメッキ加工を施したいとお考えのお客様は、一度部品の表面を中性洗剤で洗って頂いて目視して部品表面にヒビや割れている部分が無いかを確認して頂きたいと思います。実は今回依頼して頂いた業者様は同じ部品でも違うカバーを用意して頂いておりましたが、表面に割れヒビ、傷でえぐれている箇所が有った為に、別のましな物を用意して頂きました。上の写真の物は手に入る一番良い状態の物です。それでは今回ご依頼して頂きましたトヨタとヤマハ共同開発した2500ccツインカム24バルブ用PP製ダイナモカバー(経年劣化)に最高級モーターショー用クロムメッキ加工を施す工程をご紹介させて頂きます。カバー表面を脱脂致します。次にPP表面にある割れの部分を補修致します。万が一この割れを補修しなければメッキ加工完成品の見栄えが割れている状態になります。次にPPカバー表面のザラザラを消す為にアルミニウム製パテ及びプライマー処理により更に表面補修致します。この時にはトヨタやヤマハなどの刻印は消えないのでメッキ加工完成品時にはシボは無くなって綺麗になり刻印はばっちりと綺麗に見える様に仕上がっています。

メッキ加工で経年劣化したホイルキャップを綺麗に

50年前の経年劣化したホイルキャップ
日産の経年劣化したホイルキャップの裏面

メッキ加工で50年程経年劣化した日産純正クロムメッキホイルキャップを綺麗にするお話をさせて頂きます。今回ご依頼頂いたお客様はリピーター様で3代目グロリアの3分割フロントとリアバンパーの板金加工及び弊社の厚メッキ加工をご依頼して頂いた経験が御座います。このリピーター様は同じバンパーを2セット持っていらっしゃって片方はメッキの種類が分からなかったのでメッキ塗装の業者様に加工依頼した経験が御座いました。メッキ塗装完成後、ご自分で現品確認した時にご自分のイメージからかけ離れている事で、弊社にご相談が有りそれからのお付き合いです。このリピーター様は弊社の本社から自動車で20分位の場所に会社があり弊社に持ち込みで依頼品をお互いに検品しながら世間話をしたり様々な楽しいお話をしながら商談しております。加工の話に戻りますが上の4枚の素材の腐食状態ですが50年程時が経過しているわりには綺麗な状態で保存されていたと感じます。しいて言うのなら裏面写真の左側だけ真っ黒に腐食しているのが気になる所です。このホイルキャップのデザインはご覧の様に入り組み部分が全体的に多く再メッキしずらい形状とも言える物です。外周側の入り組みにはバフが当たり難いと言う事で腐食してピンホールが大きくなってしまった箇所がそのままでメッキがのると言う様な事に・・・今回は商談の結果、弊社の中メッキ加工(分厚いメッキ仕上げ)でお受けさせて頂きましたのでまずは、ホイルキャップ表面のメッキと錆をシアンを使い剥離致します。今回の現物は腐食程度が悪くないので約7日で表面剥離が完了すると思います。次に肝心のバフレースですが磨き難い箇所は幅が狭いバフを使用致します。それでもバフが当たらない個所にはルーター磨きで対応致します。続いて銅メッキ加工を施す訳ですが先程もご説明をさせて頂きましたがホイルキャップの外周の凹凸にはバフが当たり難いと言う事とメッキがのりにくい形状である事からこの部分にメッキがのる様に専用治具で対応致します。1回目の銅メッキ加工は2回目のバフレースでピンホールを埋める為の作業です。ピンホールが埋まると2回目の銅メッキ加工を施します。この状態でホイルキャップ表面は凄く綺麗な状態になっております。しかしこれまでの作業で綺麗にならない場合は板金加工で表面補修する必要が御座います。板金加工が工程上必要な場合には必ずお客様にご連絡させて頂いた上でご指示を仰ぎます。綺麗なホイルキャップ表面が保たれる様に仕上がりましたら、次にニッケルメッキ加工を施しますが出来る限り長い時間をかけて分厚く致します。次にクロムメッキ加工を施して研磨剤で丁寧にメッキ表面を磨いて完成品になります。

ホンダジャズ50の燃料タンクをメッキ加工

1996年式のホンダジャズ50の燃料タンクを装飾クロムメッキ加工を施す方法をご紹介させて頂きます。今回のお客様は弊社のリピーター様で前回はレクサスのフロントグリルに最高級モーターショー用クロムメッキ加工をご依頼して頂きました。続いてバイクのご依頼となりました。燃料タンク自体は黒色塗装で形状はハーレーの燃料タンクの様な物です。排気量は50ccですがインパクトがありスタイリッシュなバイクです。当たり前ですが燃料タンク上部には鍵付属品が装着されておりその部分はクロムメッキ加工が施されております。ハーレーには似ていますがそこまで派手さが無く、お客様はハーレーに近い様な見栄えにする為にホイルと燃料タンク、ブラケットを装飾クロムメッキ加工でスタイリッシュに決めたいとお考えになられた様です。それでは1996年式ホンダジャズ50の純正燃料タンクをクロムメッキ加工を施して綺麗にする方法をご紹介させて頂きます。今回の様な旧車バイクの場合は、必ずと言ってよい程ガソリンが燃料タンクに残っています。その理由は燃料タンク内部には仕切り板と言う物が数枚入っており中々、内部にガソリンが出来らない構造になっております。トラックの燃料タンクも同じ内部構造になっています。まずは徹底的にガソリンを取り除く事から始めます。この作業は結構大変で手間がかかります。この作業の大変さは一度、燃料タンクにクロムメッキ加工を施した経験のある方ならお分かりになられると思います。その次に弊社でタンク内部の剥離作業を行いますが、その時に燃料タンク内部の錆とめも剥離してしまう事も有り直ぐに錆が表れます。続いて燃料タンク表面に傷やパテで補修されているかを確かめます。中古の燃料タンクの場合数個に1個の割合で樹脂パテで補修している物が御座います。湿式メッキ加工の場合は必ず樹脂パテを取り除いてから板金加工を施します。何故なら樹脂パテには通電効果が無い為にこの様な作業を行います。次にバフ研磨作業を行いますが何時も通り、180番手から順番を上げて行き最終420番手仕上げまで磨き込み致します。この時に経年劣化による腐食痕が残る事が御座います。その時はその部分を更に板金加工する事も御座います。(メッキの厚みでは消えません。)次に銅メッキ加工を施して2回目のバフ研磨作業を致します。毎回説明させて頂いておりますが、2回目のバフはピンホールを銅メッキの削れた粉を利用して埋める事が目的で行います。更にもう一度銅メッキ加工を行います。弊社では2回目の銅メッキ加工は基本料金に入っていますが、3回目の銅メッキ加工以上は追加料金が発生致します。この追加のメリットはピンホールが通常よりも大きい時に見栄えが良くなります。このメリットが出る様な腐食の場合はその都度、お客様にご相談をさせて頂いております。次にニッケル加工を分厚めに行います。次にクロムメッキ加工を施してから熱湯で燃料タンク外部と内部を洗浄致します。そして燃料タンク内部が錆びにくい様に内部に油を付けます。

メッキ加工でヤマハJZエンジン用タペットカバーを綺麗にする

ヤマハ製JZエンジン用タペットカバー
ヤマハ製JZエンジン用タペットカバーアップ1
ヤマハ製JZエンジン用タペットカバーアップ2

上の写真はトヨタ自動車がヤマハに製造依頼して誕生したJZエンジン用タペットカバーです。1990年過ぎからチェイサー等に積んでいた物でご覧の様に腐食がかなり進んで2500、ターボのロゴが消えかけています。素材はアルミニウムダイカストで製造されて、内部にはスチール製の板で張り付けされています。当然タペットカバー内部は油が付着しております。今回のお客様は旧車でレーシングカーを製作されている業者様で様々な自動車から元気なエンジンを他の自動車に移植してレーシングカーを製造されています。チェイサーのエンジンを他の旧車に乗せ換えるのに、このタペットカバーを綺麗に光沢を出したいと言うご希望です。ご覧の様に年数が30年程しか経っていないにも関わらず、かなり酷い経年劣化具合で中々手ごわい部品です。余談ですがタペットカバーやバイクのポイントカバー等に用いられるアルミニウム製ダイカストはスチール素材の様な経年劣化の見栄えでは御座いません。アルミニウム表面の錆はご覧の様な白っぽい粉が噴出して表面がボロボロになったり、青錆が出たり致します。スチール製部品が経年劣化しても上の写真の様な状態にはなりません。スチール製部品の経年劣化で見られるのはスチール独特な錆で黒い物が浮き出したり剥がれたり致します。素材の特性上この様な錆の違いが御座います。それではお客様のご要望であるクロムメッキ加工で光沢を出す施工方法をご紹介します。まずはタペットカバーに付着しているロゴマークと錆とめを剥離致します。今回は硝酸を使用致しますが剥離致しますとアルミニウム表面の錆だけでは無く、全体的にアルミニウム表面も溶ける事になります。これもスチールではこの様な事は無く、アルミニウムだけこの様な事になります。アルミニウムは柔らかみを帯びていて素材自体は弱い物です。アルミニウム表面から錆が出ている様な部品は、実は錆が出ていない個所も見えないだけで腐食している事が多くバイクや自動車などのアルミニウム製クロムメッキ部品を再メッキ加工する時に大変この事が良く分かります。これらの事から見ても今回のタペットカバーは剥離したらもっと沢山の腐食痕が確認される事は間違い御座いません。剥離終了後に徹底的にバフで磨きあげます。この作業は削る作業では御座いませんのでかなりの時間と手間がかかり、この様な経年劣化が酷い部品には加工賃が高くなる傾向性が御座います。要するに同じ部品を加工依頼する場合には素材自体の腐食具合に比例すると言う意味です。バフの番手は180番手からスタートして段階を踏んでゆき、最終420番手まで磨き込み致します。因みに鏡面ポリッシュ仕上げの場合は最終番手1000番程度磨き上げ致します。あくまでもバフレースで磨くので市販されている紙やすりで磨いても綺麗にはなりません。今回のタペットカバーは徹底的に追い込んでバフレースしても腐食痕は残る事になります。次に銅メッキ加工を施して2度目のバフ磨きでピンホールを埋めていきますが、腐食痕までの大きな穴は埋まりません。続いてもう一度銅メッキ加工を施してからニッケルメッキ加工を分厚く、最後のメッキ槽であるクロムメッキ加工を施してから完成品を研磨剤で丁寧に磨いて出来上がりとなります。