旧車用エンジンパーツにメッキ加工(クロムメッキ)が出来るか?出来ないか?を業者様と個人様に御説明をさせて頂きます。
2018年01月26日
このパーツの正式名称は分かりません。
車屋さんやレストア屋さんならご存知のはず。
昔から、ボンネット内部のパーツをメッキ加工(クロムメッキ)したり研磨によって鏡面加工する事でクオリティを追求されているマニアさ
んが大変多いです。
このパーツの素材はアルミニウムにアルマイト加工されていて油が付着している状態です。
腐食も進んでいてくぼみの腐食痕が部分的に表れています。
このパーツ自体がアルミニウム製ですのでメッキ加工や再メッキ加工(リクローム)は可能なのですが、表面と内部の油分が取れるか
取れないかによって変わってきます。
当社の場合は、このパーツの状態でメッキ加工や再メッキ加工(リクローム)が可能なのは中メッキ加工(厚メッキ加工)と下メッキ加工
(薄メッキ加工)です。上メッキ加工の場合は不可になります。
これらのパーツで大変なのは油分を取り除く事が大仕事となります。例えば内部もそうですが業者様の中には時間が有る時にご自分で
油で表面を磨き鏡面にされる事が有りますが、この場合メッキ加工をされたいとご依頼が御座いますと当社で油分処理をしバフ研磨作業した
としても銅メッキ加工の時にこれらのパーツ表面から油が湧いてくるのです。
油で磨く事によりアルミニウム表面に油が浸透しメッキがのらなくなってしまうのです。
本当に厄介な状態になりますので油などで磨くとメッキ加工が出来ない事を覚えておいた方が良いと思います。
強引にメッキ加工をしたとしてもメッキがのっている部分とメッキがのっていない部分が有る少し恰好が悪くなってしまいます。
そうなるとバフ研磨だけで鏡面仕上げするしか方法が無いと言う事になります。
このパーツは検査が終わっておりませんので、表面に油が浸透していない想定でメッキ加工のお話をさせて頂く事に致します。
油分を飛ばす作業が終了いたしますとアルミニウム表面に錆止めせれているアルマイトを剥離いたします。
この作業の事をアルマイト剥離と言います。アルミニウムパーツの場合、この作業を必ず行わなくてはなりません。
この作業が終わりますとバフ研磨作業に入ります。
アルミニウム研磨はスチールを研磨する様な荒目では絶対に研磨してはいけません。
その理由はアルミニウムはスチールの様に素材の特性上硬くありませんので240番程度から番手を上げていきます。
丁寧にバフ研磨を行い鏡面仕上げになった状態で、銅メッキ加工を行います。
そしてもう一度バフ研磨作業を行う事によって削れた銅の粉を利用しピンホール等の穴に埋めます。
特にアルミニウムはこの作業で綺麗さに優劣が付きますので必ず行わなければいけません。
ピンホールが埋まりますと、もう一度銅メッキ加工によって表面を覆い隠します。
その次にニッケルメッキ加工によって錆びにくくする為に分厚目にメッキ槽に漬け込みます。
最後にクロムメッキ加工でこの商品のメッキ加工は終了になります。
エンジンパーツをバフ研磨やメッキ加工によって綺麗にしたい時はメッキ工房光沢屋にご相談下さい。
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