1953年式三菱ジープ(65年前)の事故による歪みが酷く腐食も酷いバンパーを綺麗にメッキ加工(再メッキ)

上の写真は1953年式三菱ジープの2分割

スチール製クロムメッキバンパーです。

この年代の生産会社名は中日本重工業が生産していた

様です。

三菱パジェロの前身車種だそうです。

70歳前後の方なら懐かしいと感じられるのでは・・・

当時の防衛庁(現防衛省)や警察庁、林野庁等で

使用されていました。

マニアさんの中ではかなり希少価値が高くジープ専門

販売業者様でもそうそう在庫されていない模様です。

その様な希少価値ジープが残念な事に事故により

前の自動車に当たってしまいその自動車は横転し

その自動車に当たってしまった1953年式三菱ジープの

2分割フロントバンパーがご覧の様に歪が酷い状態になって

しまったと言う訳で業者様からこのバンパーを綺麗に修復し

再メッキ加工(リクローム)して欲しいと言うご依頼を

頂きました。

今まで当社でお受けさせて頂いた事故による歪が酷いバンパーの

ご依頼の中ではレベル10を最高に考えると8レベル位です。

そこに65年前のスチール製バンパーですので写真の中に

バンパー裏面を貼り付けさせて頂いておりますが想像通りの

経年劣化が見られます。

この様にパーツの年式が65年ほど経ちしかも事故などに

よる歪がかなりある様な場合どうすればレストアできるか

それをこれから業者様とマニア様に分かりやすく

ご説明させて頂きます。

お客様のご予算が有ればに完全に近い状態でこのバンパーを

修復し再メッキ加工(リクローム)出来る方法からご紹介

いたしますが、最初にバンパー表面に付いているメッキを

完全に剥離致します。

この剥離剤にはシアンを使用致しますがこの時に錆も溶けます。

約7日程でスチールその物になりその時にメッキで隠れて

見えなかった経年劣化による腐食痕が見えます。

次に歪を修正するために熟練板金職人による作業が行われます。

今回は2分割の内1本はまだ歪みがマシなので

これを参考に修復するために昔ながらのトンカチを使用しな

がら叩き出しにより丁寧に元に近い状態に戻していきます。

想像できると思いますがこの形状修復だけでもかなりの

時間が掛ります。

次に形状修復が完了したら細かい粒子のアルミニウム製金属

パテと樹脂パテの混合物を利用しバンパー表面全体に対して

表面補修し更に残りの微妙な歪と経年劣化による腐食痕を

見えない様に隠してしまいます。

そして更にクオリティを上げる為にメッキ用サフェーサー

及びプライマー処理により下地を整えてプライマー表面に

通電効果が出る様に無電解メッキや導電性塗料などで

通電効果を出して銅メッキ加工、バフ研磨による

ピンホール埋め、もう一度銅メッキ加工

ニッケルメッキ加工、クロムメッキ加工

仕上げに細かい粒子の研磨剤を用いてクロムメッキ表面を

丁寧に磨き完成品となります。

もう一つの方法はバンパーの腐食痕がバフ研磨で綺麗に

なる場合は表面補修を行わないで加工する事も御座います。