昨日に続きFRP製グリルにメッキ加工や再メッキ加工(リクロームが)が可能か不可かのご説明を業者様と個人様にさせて頂きます。

昨日はABS製樹脂グリルとPP製樹脂グリルにメッキ加工や再メッキ加工(リクローム)が可能な場合、不可な場合を業者様と個人様に

お話をさせて頂きましたが、本日はFRP製グリルにメッキ加工や再メッキ加工(リクローム)が可能な場合と不可な場合を極力分かりやす

く業者様と個人様に御説明をさせて頂きます。

まず初めにメッキ加工が出来るFRP製グリルは、新品未使用未塗装汚れ無しと言う条件になります。

メーカー様のグリルパーツの中でFRP製グリルが多いのは大型トラックのフロントパネルです。

その他、自動車のグリル製品でFRPを使用しているメーカー様はあまり御座いません。

但し、外品エアロパーツを製作されて売られているグリルはFRP製が大変多く存在致しますのであえてご説明をさせて頂きます。

基本のお話になりますが、樹脂の種類の中でFRPは特別で強度が大変強く少ロットでコストを掛けず製作する事が可能なのですが

メッキ加工を行う上で他の樹脂と違うデメリットが有ります。

それは、FRP製作した表面に巣穴と呼ばれる小さな穴が存在致します。この様な小さな穴は他の樹脂には存在せず、塗装や汚れがその巣穴

に入ってしまうと剥離剤で塗装を落とす事が出来ないのです。

そうなると巣穴以外の個所はメッキが掛かり、塗装で埋もれた巣穴にはメッキが入らず見栄えは最悪な上、メッキが水泡が出来た様に直ぐ

剥がれてしまうありさまになる訳です。こうなると商品としての価値は御座いませんので加工が不可になってしまう事になります。

その理由から、FRP製グリルにメッキが掛かっていても再メッキ(リクローム)は不可になります。

どの様な素材でも必ずメッキ加工や再メッキ加工(リクローム)を行う前には塗装やメッキ色を全て綺麗に剥離が出来るか出来ないかで

可能か不可かが決まります。当然、形状があまりりにも奇抜な状態や奥行があり過ぎるのはメッキが入らない事も御座いますが・・・

さて、FRP製グリルのメッキ加工の方法ですが表面を綺麗にする為に脱脂を致します。その理由は、どれだけ新品で未塗装だとしても

人の手でパーツに触れたり静電気によって表面にホコリが付いているとメッキ表面が汚くなる他、剥がれの原因にもなりかねません。

その次に巣穴や表面を綺麗に表面補修作業を行い完全に巣穴を消してしまいます。この作業の手間が掛かる事から樹脂のメッキ加工工賃の中

でFRP製品は高くなる訳です。

この状態で丁寧に表面を磨きツルツルに致します。

次に行う作業は電気メッキ加工の前に通電効果を出さなければ電気が通らない為に、無電解メッキ加工や導電塗料等で通電効果が出る様に

します。ここまでの作業が下地処理が完了した事になります。

この状態で製品のクオリティが分かります。

この先の作業からがメッキ加工になりますが、既にFRP製グリル自体の表面が金属になっている訳ですので金属製品と同じ様に

銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工、クロムメッキ加工と言う様に順番にメッキ加工をしていく訳です。

樹脂製品は金属と違い電気が通らない為下地処理を行いメッキ加工に入らなければいけませんしガリガリとバフ研磨が出来ません。

結構手間が掛かります。

モーターショー用のメッキ加工はメッキ工房光沢屋にお問い合わせ下さい。