旧車ハコスカアンチモニ製アウタードアハンドルをクロムメッキ加工

上の写真は希少価値車

ハコスカの純正アウタードアハンドルです。

素材は亜鉛ダイカスト(アンチモニ)で

ご覧の様にハンドル部品とプッシュ部品の

2つの部品からから出来ている物です。

経年劣化年数は50年弱で正直保管状態は

良くなかったと推測されます。

素材である亜鉛ダイカスト表面は

ご覧の様に腐食痕が・・・

素材関係無しにこの位腐食痕が表面に

現れていますとバフ研磨作業をおこなったり

サンドブラストを行っても表面を

綺麗にする事は不可能です。

因みに板金加工も出来ません。

これだけハコスカの年数が経っていると

日産に問い合わせても

純正アウタードアハンドルも有る訳も無く

どうにかしてこの腐食痕が酷い

アウタードアハンドルとプッシュを

活用しなければいけません。

そこで開発されたのが腐食痕が

板金出来ない位、酷い場合に施工される当社の

メッキランクの上メッキ加工です。

その方法は見にくくなってしまった素材表面を

作り直すと言う考え方から出来ました。

第一に素材表面に付着している

クロムメッキを完全に剥離し取り除きます。

上の写真の様な状態になりますが

この表面を脱脂(汚れを完全に取り除く)

作業を施しその表面に細かい粒子の

アルミニウム製金属パテと樹脂パテとの

混合物を綺麗にしたい表面に覆い隠します。

そして丁寧に形状を整えます。

この作業は、自動車の板金加工の下地に似ていますので

メッキ加工職人が行う訳では御座いません。

この作業だけを行う職人により作業致します。

次にメッキ用サフェーサー、プライマーにより

表面の生地を更に整えて完全に

新品素材の様な状態に致します。

部品表面が新品素材の様になった上に

電気が通る様に無電解メッキ加工及び

導電塗料処理いたします。

この状態は既に

新しい素材になっているので

クロムメッキ加工を施す事だけです。

と言う事は形状が歪な部品で無い限り

町のメッキ屋さんでも

クロムメッキ加工が可能と言う事です。

ここまでの作業が中々出来ないと言う事になります。

例えば、アンチモニ製品が破損している場合にでも

この工法は加工ですのでよっぽど部品が

粉砕していない限り新品の様に戻る事が出来ます。

但し、この方法にも注意すべき点が御座います。

それはアンチモニ製品にクロムメッキ加工が

完成した部品を自動車に取り付ける時場合に

インパクトドライバー等の力でボルト留めすると

表面のクロムメッキが浮いてしまう様な事があります。

その理由は表面補修した金属と樹脂パテの混合物は

柔らか味が有るので一か所に

極端な力を入れるとそう言う事になりかねない。

インパクトドライバーを使用するにしても

CRC等の油でねじ山とボルトを

滑りやすくした上で締める事が必要となります。

元々、経年劣化によってボルトやナットも表面と

同じく錆びて腐食しているので出来るならいっそうの事

ボルトやナットも新品に変えた方が良いと思います。