旧車30Z3分割リアバンパー凹み有りを再メッキ加工(リクローム) 個人様

神奈川県の個人様からのご依頼で

30Zの3分割リアバンパー中央部です。

皆さんは、よくご存じだとは思いますが

1970年前後に日産(ダットサン)から

イギリスのジャガークーペの様な外観の

フェアレディ―Z(S30)が日本だけではなく

世界で販売され当時も世界でも有名で

現在に於いてもプレミア価格の旧車です。

日本だけではなく世界中にフェアレディZ(S30)

をこよなく愛する旧車マニアさんが多数存在致します。

いくらこの様に世界中でマニアさんが存在してるとは

言っても日産純正部品が在庫にある訳も無く

純正同型の外品部品が

フェアレディー専門店で売られています。

当時の価格帯は案外にお手頃だったようですよ。

話をバンパーに戻しまして

写真をご覧の様に経年劣化による錆と

バンパー中心にえくぼ痕が有る状態です。

バンパー上部は指の腹でなぞると引っかかる錆で

もう少し経年劣化が進むと棘錆が出てきます。

バンパー下部の折り返し部分は棘錆が

ご覧の様にしっかりと出ています。

バンパー裏面の錆は案外にマシなようです。

この30Zのお客様は当社のメッキランク中

(メッキが分厚い)をご希望でバンパー中心部の

えくぼ痕を板金加工して欲しいと言うご依頼です。

このお客様のお話では30Z用外品の

クロムメッキ製バンパーが有ると言っておられましたが

やはり純正バンパーを綺麗にして装着される事を

選択されたとおっしゃっておられました。

その加工方法は

まず経年劣化した30Zバンパー表面に付いている

クロムメッキと錆を約一週間程、

シアンに漬け込んで溶かしスチール

その物になる様に致します。

次に軽めにバフ研磨する事により

金属表面の生地を綺麗に致します。

この作業では完全に金属表面を

ピカピカにする必要はありません。

そして今回のお客様のご要望である

バンパー中央部にあるえくぼ痕を

板金加工職人により丁寧に金属表面を整えます。

この作業が終わりましたら

2回目のバフ研磨作業です。

このバフ研磨によりスチールの生地全体を

磨き板金個所と元の生地との間がメッキを

掛けた時に分からない状態になる様に作業致します。

この板金加工職人の技術とバフ職人の技術がのちの

メッキ加工が完成した時の

見栄えのクオリティに多大な影響が御座います。

今回のバンパー再メッキ加工(リクローム)の

肝と言っても過言では御座いません。

バフの最終仕上げは420番手です。

この作業が終わって磨いた生地を顔を

近づけて見ると鏡の様な映り込みがあります。

後は、銅メッキ加工、ニッケルメッキ加工

クロムメッキ加工により綺麗なスチール表面に

各々の金属皮膜を得て完成になります。