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旧車ケンメリグリル再メッキ前

ケンメリのアンチモニ製(亜鉛ダイカスト)グリルです。
写真を見て頂いてお分かりになります様に、結構な腐食具合です。
業者様からのご依頼で車の保管状態は野ざらしに近い状態だったらしいです。
だからこんなに生地が腐食しているのです。普段から車を大事にしないと
レストアする時に高くつきます。さてこの状態から表面を綺麗にし剥離後
脱脂をいたします。アンチモニ製品の再メッキは通常、普通のメッキのやり方では
綺麗にならない素材ですので、表面を細かい粒子のアルミニウム金属パテで
補修をしなければなりません。この工程が一番大事です。表面補修が終了すると
サフ、プライマー処理で生地を整えて、表面に通電効果が出るように無電解メッキ加工を
おこないます。後は何時もの様に、分厚く銅メッキ加工し、続いて分厚くニッケルメッキ、
クロムメッキ加工した後、純水でメッキ液が付いているのを洗い流します。
最後に丁寧に青粉で磨いて再メッキ完了になります。

FRP製リップスポイラーメッキ加工前

この商品は、FRP製リップスポイラー新品パーツです。
塗装も無く、汚れの付着もありませんのでメッキ加工は可能です。
まず、裏の金属網を外さなくてはなりません。
以前にもFRP製品と他の樹脂との表面の違いのお話はさせて頂いたと
思いますが、FRPには巣穴が沢山あります。(他の樹脂にはありません。)
箱に入った新品と言えどもほこりが付いていたり、人の手に触れていますので
油分が付着しています。これらを薬品で脱脂致します。
そこから、この巣穴を綺麗に埋めていき、他の樹脂の表面の様にツルツルにします。
サフ、プライマー処理で磨き、通電効果がある様に無電解メッキという方法でメッキ加工致します。
この状態で電気が通りますので分厚く銅メッキ加工し分厚くニッケルメッキ加工、クロムメッキ加工して
青粉で丁寧に磨いて出来上がりになります。FRPの表面をこのような工法で金属化する事は
一個一個の仕事となる為メーカーの量産品では加工は不可です。

アルミニウム製シマ板メッキ加工

この商品はアルミニウムで出来たシマ板で、トラック等によく利用されています。
ボディーに架装するのに使用する事が多く、スチールのシマ板よりも軽い為
アルミニウム製をします。クロムメッキの光沢までは無いですが、光沢アルマイト処理が
されている商品は過去に売っていたとお客様よりお聞きします。このシマ板をメッキ加工される
お客様も光沢アルマイトのシマ板をご購入された事が有ったみたいですが、やはりクロムメッキみたいな
光沢が無く、長持ちしないと言う理由でアルミニウム製シマ板を当社でメッキ加工をしたいとご依頼して
頂いたのです。まず、光沢アルマイトをアルマイト剥離するところから始まります。
アルミニウムを裸にしてバフ研磨致します。今回の製品で厄介な事が一つあります。
それはシマの部分とシマの部分の間にバフが当たらない事です。
やはり磨ければ磨くほど綺麗になるのでメッキ加工する表面は平らな方が良いのです。
この様な手間等がお値段に反映されます。

旧車トライアンフTR6バンパー再メッキ前

旧車トライアンフTR6の3分割バンパーです。
素材はスチール製、バンパーの裏はご覧の様に錆がとげとげしく出ています。
表面は錆が出ていてクロムメッキがくすんでいる状態です。
当社で再メッキ依頼がある素材が悪い状態でのランクで言うと中位です。
大体、この位のバンパーの腐食具合で考えると、板金が必要か必要でないか
微妙な感じです。メッキ屋でよく言うやってみなければ分からないレベルです。
まずはメッキを剥離するためにシアンに漬けます。錆もある程度溶けます。
数日漬けるとスチールその物になり、この時点でやっと腐食痕が表れて板金が必要か
必要で無いか判断出来るのです。再メッキは特に剥離終了後からがスタートと言っても
過言ではありません。このトライアンフの3分割バンパーはラッキーな事に板金無しでいけました。
バフ磨きでしっかりと研磨し、銅メッキ加工終了後、更にバフ研磨によってピンほーるに銅を入れます。
この作業をするのとしないのとは全くクオリティが違います。