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1920年代フォードサイドマーカーランプ再メッキ

このパーツは1920年代のフォードサイドマーカーを再メッキ加工した物です。素材はアンチモニ製で普通のメッキ加工のやり方では再メッキは綺麗に出来ません。上メッキ加工で再メッキが出来ますので、業者様にはその様にご連絡しご依頼して頂く事になりました。
アンチモニ(亜鉛ダイカスト)はメッキがかかっていない状態では鋳物を中心にメッキ加工をしている業者さんはメッキ加工が出来るのですが
メッキが既にかかっている物に対してはありません。アンチモニに再メッキ加工すると酸に弱いせいで月のクレーターみたいにボコボコになる上、メッキが剥がれやすい状態になります。当社はアンチモニ製品の再メッキの場合、メッキを剥離してから細かい粒子の金属パテでパーツの表面を補修します。表面を補修する事で剥離の際、表面が綺麗になり腐食痕も綺麗になるメリットがあります。ただデメリットは大量に補修作業が出来ない為、納期が遅くなってしまします。

1920年代フォードグリル枠再メッキ

以前にブログにてご紹介させて頂いた1920年フォードのスチール製グリル再メッキ加工完成品です。この二枚目の写真には左右にきつめの錆傷が付いていました。業者様より傷を修復し再メッキ加工して欲しいと言うご依頼でした。かなり希少価値車ですので室内保管されていたみたいで、メッキがかかっている表面には錆がほとんどない状態でした。まず、メッキを剥離するために数日かけてシアンで剥離致します。数日経つと錆が溶けメッキも剥離が出来て要る為、表面にはスチールその物の肌が出てきます。その肌をバフ研磨によって慎重に磨いていきます。
綺麗な肌と腐食痕がはっきりと表れ、今度は腐食痕に焦点を合わせて慎重かつ丁寧にバフの番手を徐々に上げて行きなるべく綺麗に肌と腐食痕の差を無くしていきます。あまりやり過ぎるとメッキをかけた時に凹んだような痕になるので長年の手の感触で磨きます。それでも傷や腐食痕が消えない場合は楊板金で補修致します。

ジェットスキー用噴射口再メッキ

このパーツはジェットスキー用噴射口です。素材はアルミニウムのダイカスト鋳物です。使用しているせいか錆と潮がこびりついている状態でした。海でジェットスキーを楽しみながらジェットスキーパーツの噴射口がピカピカのクロムメッキだと綺麗さでインパクト絶大だと思います。この商品は上メッキ加工か、それとも中メッキ加工かどちらかに選んで頂かなければなりません。お客様のご予算の都合上中メッキ加工になりましたので、まず、シアンでメッキを剥離し錆を溶かします。すると海水での錆が噴射口の中までびっしりと・・・
表面は中よりも幾分マシでしたがいたるところが腐食痕、バフ研磨でこのパーツの場合は力いっぱい丁寧に磨きあげ、一度銅メッキ加工した後に再度バフ研磨によってピンホールに銅の粉を入れます。(ピンホールは埋まりますが、腐食痕は大きすぎて埋まりません。)
ご予算があればこの時に楊板金することにより腐食痕を埋めることが出来ます。

旧車ライトリム再メッキ前

旧車のスチール製ライト枠です。年式が古くご覧の様に錆痕、腐食痕が至る所にみられます。このパーツのお客様は当社の中メッキをご希望ですので、シアンを使って数日かけ剥離を行います。剥離が終了いたしますとメッキとある程度の錆が溶けますのでもろに腐食痕が分かります。
やっとこの時にバフ研磨で消える程度なのか、それとも楊板金をしないと消えないのかが分かります。予算の都合で板金無しになりましたので
このままバフ研磨で磨けるところまで頑張って磨きます。この磨きの部分が有る意味一番大事かも分かりません。しかし、力任せに磨けばよいのではなくそこは研磨職人ならではの目と手の感触がいります。ですので当社にメッキ加工を依頼していただく前にご自分で磨く事はしないでく下さいね。その後、純粋で鉄粉などの汚れを綺麗に洗い流し、銅メッキを分厚く、ニッケルメッキも分厚くする事にクオリティが上がります。クロムメッキ加工でメッキの工程は終了になります。